ジャマール・マレー

マレーは復帰戦で23得点「取り戻すには、これがベスト」

134-132という最終スコアを見れば、オフェンスが目立った打ち合いに見えるかもしれない。しかし、ナゲッツvsジャズはダブルオーバータイムにもつれ、第4クォーター終盤からは両チームともにイージーシュートのチャンスを作らせない激しいディフェンスの応酬となった。わずかなゲーム差に多くのチームが入り乱れる西カンファレンスのライバル同士の激突は、プレーオフの緊張感を一足早く経験させてくれるものだった。

そんな状況でのダブルオーバータイムだから、両チームともに選手たちは疲労困憊。それでも勝った側には気持ちの余裕がある。39分プレーして23得点8アシスト、特に第4クォーター終盤からのプレッシャーが厳しい場面でいくつものクラッチシュートを決めたジャマール・マレーは、ハムストリングのケガから復帰してこの試合が『バブル』で初めてのプレーだった。「今日は22分しかプレーしない予定だったのに、なんでこうなったんだろう(笑)。でも、僕はチャレンジするのが好きだし、勝てたことで気分はすごく良いよ」と笑顔で話した。

マレーはこう続ける。「コンディションは良いけど、何カ月もプレーしていなかったから、今日のようなインテンシティのゲームがしたいと思っていたんだ。自分のプレーとシュートを取り戻すためには、これがベストだったよ」

最初のオーバータイムのラスト3.4秒、117-119と2点を追うナゲッツのスローインからの攻め。ニコラ・ヨキッチがインサイドを突いて同点となる得点を決めたのだが、クロックが動いていなかった。長い審議の後にこの得点が有効と認められて、試合はダブルオーバータイムに突入。ジャズはこの時点でルディ・ゴベアがファウルアウトで退場しており、ここで逃げ切れなかったことが敗戦に直結した。

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このヨキッチの得点の直前、残り20秒からの攻撃で、ジャズはドノバン・ミッチェルが、彼をマークするために投入されたPJ・ドジアーを振り切ってタフなシュートをねじ込んでリードを奪っている。ジャズは残り3.4秒を守りきれずに接戦を落としたが、ミッチェルは最高のシュートが決勝点にならなかったことを悔しがりながらも、こう反省の言葉を語る。

「僕自身もあの時間でシュートを決めて、もう勝ちは決まりだと思ってしまった。心に隙があったんだ。でも、ここから学べばいい。そうすることで、プレーオフの第4戦とか第5戦でこんなミスはやらなくなるよ」

ミッチェルは第4クォーターの最後にも5連続得点で敗色濃厚だったチームを救うなど存在感を見せたが、ゴベアは勝負どころでファウルアウト、マイク・コンリーはシュートは好調だったがターンオーバーが目立ち、チームとして噛み合わなかった。

ナゲッツはエースのヨキッチが30得点11リバウンド7アシスト3スティールと多彩な活躍を披露。ラスト3.4秒のシュート成功だけでなく、他の選手に疲弊の色が濃かった2回目のオーバータイムにもクラッチシュートを連発した。またマイケル・ポーターJr.が23得点11リバウンドと好調を維持。ここにマレーが復帰し、エースの仕事ができる選手が3人揃ったことでプレーオフへの準備は整ったと言える。