八村塁

「チーム一丸となってスコアしていく点は良かった」

ウィザーズはシーズン再開前の最後のスクリメージ(練習試合)でレイカーズと対戦した。優勝候補のレイカーズは、この試合ではチームの顔であるレブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビスが欠場。これに対し八村塁はアグレッシブに仕掛けてチームトップの19得点を奪うも、チームは116-123で敗れた。

ブラッドリー・ビール不在のチームでオフェンスのファーストオプションとなった八村は、試合開始早々に3ポイントシュートで初得点を記録。ゴール下を守るジャベール・マギー、素早くチェックに来るダニー・グリーンに対し、相手のギャップを突くミドルレンジからのシュートで得点を重ねるとともに、相手ディフェンスの注意を引き付けてパスを出すことでチャンスを作り出し、オフェンスを引っ張った。

圧巻だったのは前半終了間際の攻め。グリーンを身体で押し込んで、カバーに飛び込むクイン・クックより素早くシュートへと持ち込む。体勢不十分でこのシュートは外れたが、リバウンド争いでマギーを弾き飛ばしてダンクを叩き込んだ。

第3クォーター途中までは1桁の点差で食らい付いていたウィザーズだが、ディフェンスとリバウンドの安定感ではスター選手不在でもレイカーズが上。アレックス・カルーソの連続3ポイントシュートで突き放される。ここで八村は、自分へのパスをカットしようとオフボールで激しく守る相手からファウルを誘ってのフリースロー、一人で強引に仕掛けてのレイアップ、続いてはターンアラウンドジャンプシュートまで決めてチームを立て直そうとする。

その八村がベンチに下がった後、立ち直るきっかけを与えられたベンチメンバーが奮起して4点差まで詰め寄るが、層の厚さではやはりレイカーズだった。試合終盤になっても運動量を落とさず、ディフェンスを引き締めたレイカーズがリードを守り切っている。

ウィザーズはこれでスクリメージ3連敗。個々の奮闘は目立つものの単発で終わり、試合の勝敗を左右するような波をチームとして作ることができない。八村は「チーム一丸となってスコアしていく点は良かった。ですがディフェンスの部分で今日は甘かった」と試合を振り返る。

「今日はあまり良い試合ではなかったんですけど、他の2試合は積極的にハードにプレーできました。でもその中で次は公式戦が始まるので練習で切り替えて、良い感じで行きたい」と八村は言う。

相手のミスを得点に繋げるしたたかさ、波のないディフェンス、そして3ポイントシュートの確率という部分では、レブロンとデイビス不在であってもレイカーズが明らかに上だった。八村も含め若い選手の多いウィザーズに成熟したプレーを求めるのは酷かもしれないが、まずはディフェンスで集中を欠く時間帯を減らすこと。そして全員がアグレッシブにプレーし続けることが重要となる。

ウィザーズは8月1日、サンズ戦からシーズン再開となる。