八村塁

「コンディションは良力強いプレーができている」と手応え

NBAはシーズン再開に向けた最後の調整となるスクリメージ(練習試合)を行っている。ウィザーズはその2試合目をクリッパーズと戦い、100-105で敗れた。

ブラッドリー・ビールを始め主力が欠場するチームを引っ張るのは八村塁の役目。NBAのベストプレーヤーの一人であるカワイ・レナードとのマッチアップでも、開始1分すぎに1対1を仕掛けてファウルをもぎ取るなどアグレッシブにプレーした。試合後の八村が「身体を使うのがすごくうまい選手なので当たり負けしないように考えた。今日はそれが上手くいったと思う」と語ったように、手応えを感じられる出来だった。

そのパフォーマンスの良さを支えたのが身体のキレだ。ドライブを仕掛けた際、相手の攻めに対応する際のいずれもフットワークは鋭く、特にドライブで仕掛けた際の最後のひと伸びは相手のブロックショットを許さない。こうして約27分のプレーでチームトップタイの15得点、さらには10リバウンドに2スティールと攻守に見せ場を作った。

その八村は「長く練習してきたのでコンディションは良くて力強いプレーができている。チームも走れているし、ケミストリーも上がってきている」とポジティブな面を強調した。

もっとも、優勝候補の一角であるクリッパーズとの差が見られる試合でもあった。特にセカンドユニットでは加入したばかりのジョアキム・ノアが存在感を発揮するなど、ルー・ウィリアムズやモントレズ・ハレル、パトリック・ベバリーが不在でもなおクリッパーズの優位が目立った。残り5分を切って5点リードの場面で八村はコートに戻るも、そこからレナードやポール・ジョージをベンチに置いたままのクリッパーズに逆転を許す。

4点差で迎えたラスト10秒、タイムアウトを取ったウィザーズが最後のチャンスを託したのは八村だった。動いてボールをもらった八村はアミア・コフィーに激しく寄せられながらも、ファウルを誘いつつ3ポイントシュートを放つ。決まれば同点の4点プレー狙いだったが、このシュートが決まらず万事休す。

エースのブラッドリー・ビールが不在で苦しいのは間違いない。それでも八村だけでなくモリッツ・バグナー、トーマス・ブライアントと若手の奮闘は見られる。最後のスクリメージはレイカーズが相手。その後、8月1日のサンズ戦からシーズン再開となる。