ヒート

同期入団のハズレムのために一肌脱いだウェイド

2010年、レブロン・ジェームズとクリス・ボッシュがヒートに移籍し、ドウェイン・ウェイドとともに『スリーキングス』を結成。その後、ヒートで2度のNBA制覇を成し遂げたが、2012年にユドニス・ハズレムを引き留めるため、それぞれ100万ドル以上の減給を受け入れていた、と『ESPN』が報じた。

3人はそれぞれのマックス契約の年俸から100万ドル(約1億円)を減らしてシューターのマイク・ミラーとの契約に充てた。ミラーは別のチームから1年1000万ドル約10億円)で契約をオファーされていたが、その半額でヒートと契約した。しかし、ミラーと契約したことでハズレムと契約する余裕がなくなってしまった。ハズレムはナゲッツとマーベリックスから5年3400万ドル(約36億円)のオファーを受けており、ヒートにはマッチする金額をオファーできる余力が残っていなかった。

退団を決意したハズレムは同期入団で仲の良いウェイドに別れの挨拶をしたという。「ドウェインと僕は心が通じ合っていた。『また一緒にプレーできたら優勝リングを取れるだろう。でも僕はヒートを離れなくてはならない』と彼に言った」

そしてウェイドは、ハズレムが球団幹部に退団の挨拶をするためアリーナに向かっている間にボッシュとレブロンに電話を入れ、あと100万ドル減給を受け入れてくれるよう頼んだという。それでもハズレムが望んでいた最低額の2000万ドル(約21億円)には届かなかった。ウェイドはさらに年間50万ドル(約5300万円)の減給を受け入れることに合意し、ハズレムはヒートと5年2030万ドル(約22億円)で契約を結ぶことができた。

ウェイドとハズレムは結局15シーズンに渡ってチームメートとしてプレーし、2012年、13年と2年連続でNBAチャンピオンに輝いた。ウェイドは2018-19シーズンを最後に現役を退いたが、今年40歳のハズレムは17年目のシーズンを戦っている。