マルク・ガソル

ニック・ナース「顔が小さくなった」

新型コロナウイルスの影響でシーズンが中断している間、選手たちは練習もままならず、もどかしい時間を過ごしてきた。そんな中で彼らに許された唯一のトレーニングが肉体改造だ。1シーズンに82試合、さらにポストシーズンを戦う中ではコンディションを整えることが最優先で、思い切った身体の改造には踏み切りづらいもの。だが、この時期はそれが可能になった。

ナゲッツのニコラ・ヨキッチは見た目に分かるほど肉体を絞り込み、再開後のシーズンに向けて準備を整えている。同様に大幅な減量に成功したのが、ラプターズのマルク・ガソルだ。先日、ヘッドコーチのニック・ナースがZoomでガソルと会話した時のことについて触れて「顔が小さくなった」と話していた。現在のガソルの身体を見れば、ナースの言っていたことが正しいと分かる。

これは、スペイン2部リーグのCBバリャドリーに所属するマイク・トレスがTwitterに投稿したもの。一緒に写るガソルは中断前とは別人と思えるほどにシェイプアップされている。ガソルは今シーズン平均7.6得点、6.3リバウンド、3.4アシストを記録しているものの、左ハムストリングのケガの影響で36試合の出場に留まっていた。

前年王者のラプターズは、昨年のオフにカワイ・レナード、ダニー・グリーンが退団した影響を感じさせず、東カンファレンス2位につけている。今シーズンも東カンファレンスの優勝候補であり、ここに攻守両面で計算できるガソルが万全の状態でプレーできるのは心強い。

ガソルとヨキッチの減量は、ビッグマンにも走力が求められてボールムーブとスペーシングを重視するトレンドに合わせたものと想像できる。ラプターズもナゲッツも個よりもチームバスケットで勝負するチーム。彼らが減量によりプレースタイルを変えれば、チームのバスケットも変化するはずだ。

来月末のシーズン再開に備え、これからはボールハンドリングやシュートの感覚、ゲームのリズムを取り戻すための練習を行う。ガソルにせよヨキッチにせよ、この段階でチームスタイルと個人のプレーの変化にどれだけ折り合いを付けられるか。それが上手く行けば、両チームともにこのイレギュラーなポストシーズンで大きなサプライズを起こすことになりそうだ。