ユドニス・ハズレム

「試合後に選手をホテルに缶詰めにするようではダメ」

新型コロナウイルスの感染拡大によりNBAが2019-20シーズンが中断してから、約2カ月が経過した。先週から一部チームでは練習施設の使用が認められたが、依然としてリーグ再開の目処は立っていない。ヒートのユドニス・ハズレムは『South Florida Sun Sentinel』の取材で、リーグ再開の際には選手の心の健康も考慮してほしいと主張した。

「選手が心の健康を維持できるように息抜きの機会を与えてほしい。ストレスが溜まれば試合で良いプレーをするのは難しくなるし、バスケットボールの質も悪くなる。選手がハッピーじゃなければ再開しても上手くはいかないと思う」

シーズン再開に関しては選手や関係者を隔離された場所に集めて試合を行うアイデアが出た。しかし、選手や関係者から監禁のようだとの批判が相次ぎ、コミッショナーのアダム・シルバーは、隔離された場所は大学のキャンパスのようにある程度自由に行き来できることを強調した。

再開前の数週間のトレーニングキャンプはもちろん、どのような環境で試合が開催されるのかが大切だとハズレムは言う。それだけでなく、仮にシーズンが再開すれば、プレーオフで勝ち進んだチームの選手は隔離された状況で数カ月も過ごさなければいけない。

「シーズン再開に向けて物事を進めるなら、リーグと選手会には息抜きの方法をいくつか用意してほしい。選手に試合をさせて、終わったらホテルに缶詰にするようではダメだ。それに、数カ月も家族と離れて暮らしたことは一度もない。ヨーロッパへ遠征に行った時だってそこまで長くなかった。隔離された状況が長引けば、多くの選手がつらい思いをするはずさ」

シーズンが中断されたことで普段より家族と長い時間を過ごすことができたハズレムにとっては、再開後に家族と離れて暮らすのは一層つらく感じるかもしれない。「父親として家族とずっと一緒にいるのは初めてだった。これまではその機会がなかったから楽しい経験になったよ。毎日家にいて、家族と過ごすのは本当に素晴らしいことだ。心が満たされたし、若返ったような気分だ」

シーズン再開に向けてまだ結論は出ていないが、仮に再開するとしてもハズレムが言うように、選手の心のケアの部分までしっかりと考えなければいけない。