グレッグ・ポポヴィッチ

71歳のポポヴィッチ、68歳のダントーニは『高リスク』?

NBAは2019-20シーズンを再開するための方法を模索している。ラスベガスの複数のカジノリゾートを、あるいはフロリダのディズニーリゾートを舞台とし、無観客でリーグ戦を行うプランが具体的に検討されていると複数のメディアが報じている。

ラスベガスもディズニーリゾートも、NBA全チームの選手とスタッフ、試合運営にかかわる人員が滞在できる規模のホテルを有しており、試合会場だけでなく練習場所の体育館まであるため、施設面では問題がない。あとは、いかに運用するかが問われる。

この間、選手や関係者は完全に隔離される。それでも、誰のアクセスを認めるかの線引きは難しいところだ。レギュラーシーズン再開からプレーオフまで戦うことを考えれば2カ月以上は隔離されることになる。選手の多くは家族の帯同を求めるだろうし、個人で契約しているトレーナーやシェフを連れて行きたいと言う選手もいるだろう。またチームによってスタッフの体制は異なるが、通常は試合にかかわるのは40人から50人程度。そのすべて認めれば人数は膨れ上がる。NBAのあるチームでGMを務める人物は『ESPN』に「帯同が許される人数は半分程度になるだろう」と語る。

『ESPN』は、60歳もしくは65歳以上の関係者をどう扱うかがリーグの大きな懸念だと報じている。言うまでもなく、高齢者や基礎疾患を持つ者は新型コロナウイルスに感染した場合の死亡率が高く、そのリスクを持つ者はリーグ再開の場に立ち入るべきではない。だが、ロケッツを率いるマイク・ダントーニは68歳で、スパーズを率いるグレッグ・ポポヴィッチは71歳だ。リーグ再開に際して、ヘッドコーチ抜きでシーズンを戦うのは不公平ではないか。

しかし、それを言い始めたらリーグ再開はほぼ不可能だ。線引きは難しい作業になるが、何らかの決断が下されなければならないし、全員がそれに従う必要がある。リーグ再開の際にはファンだけでなく『馴染みの顔』も不在となるかもしれない。