コービー・ブライアント

「2人の不仲はスタイルの違いによるところが大きい」

コービー・ブライアントとシャキール・オニールはレイカーズで3連覇を達成するなどNBA史上最強のデュオとの呼び声も高い。しかし、2人の間に確執があったのは既成事実となっている。

当時2人とコート上で一緒に戦っていた元チームメートが2人のスーパースターの関係が実際どうだったのか証言した。コービーとシャックについて証言したのは元レイカーズのジョン・セレスタンドだ。1999年のドラフトでレイカーズから30位で指名されたセレスタンドは『Scoop B Radio Podcast』に出演しデュオの関係性について率直に語った。

「コービーがシャックを気にしていたというより、シャックがコービーを気にしていたんだと思う。当時のコービーはスターへの階段を駆け上がっていた。ガードはセンターよりも応援されるんだよ。より共感できるからね。でも当時レイカーズのエースはシャックだったんだ。コービーとの差は歴然だったんだ。だから2人の不仲はスタイルの違いによるところが大きい」

「コービーは読書家で練習にも必ず来るし、真面目でどんな時も手を抜かない。対してシャックは単純に誰よりもサイズが大きいから、持って生まれた才能と能力で圧倒してしまうんだ。練習で手を抜いてもゲームを支配できる。でも実際はシーズン中相当ダメージを受けているから練習では手を抜くことも必要だった。コービーにはそれが理解できなかったんだ。7フィート(210センチ)の身体でプレーすること、試合中で常に激しく当たられること、130kgの身体で走り回るダメージをコービーは理解していなかったんだ」

セレスタンドによるとコービーはバスケットボールに対して真剣に考えるタイプだが、シャックはおおらかで楽しもうとするタイプ。2人の不仲は正反対の性格も影響していた。

「コービーはいつも真剣で、シャックはそれが気に入らなかったのかもしれない。シャックは一緒に楽しもう、仲間になろうというタイプ。コービーはシャックに対して『バスケットボールは仕事だ。俺たちは最強になるんだ。いつも一緒に楽しんでるだけでバスケを真剣に考えてない』と思っていただろうね。対してシャックはコービーに対して『お前はチームの連帯感、チームの一員になることを軽視してる。自分のことしか考えていない』と思っていた」

セレスタンドが側で見ていた限り、対立のきっかけを作るのはシャックの場合が多かった。その原因の一つはチームの戦術だった。

「シャックはフリースローが苦手だったから、試合終盤はコービーにボールを渡すことになっていた。それがチームの方針だったんだ。コービーがベタープレーヤーだったということではなく、相手がシャックをファウルする作戦に出るからだ。試合を終わらせるのはコービーの役目だった。シャックはそれが気に入らなかったんだろうね。でも、そうするより仕方がなかったんだ」

オニールがレイカーズを去りコンビが解消された後も2人の仲は縮まらなかったが、最終的にオニールの偉大さを理解したコービーが歩み寄り雪解けを迎えた。2人の関係が良好であり続けていたら、レイカーズはもう少し長く王朝を築いていたかもしれない。