写真=FIBA.com

日本の得点源は6分間の出場「コートに立てず悔しい」

昨日、男子日本代表は韓国の試合巧者ぶりに屈し、ベスト8進出を果たせずアジアカップから敗退することとなった。敗因はいくつも挙げられるが、間違いなく痛手となったのは古川孝敏が序盤で足を痛めてプレーできなくなってしまったことだ。

先発出場した古川は6分間プレーしてベンチに下がると、そのままコートに戻ることができなかった。「足首を痛めてしまいました」と試合後に古川は明かす。「コートに立てなかったのは悔しいですが、チームで戦っていくためにも、みんなのサポートをしなければいけないとベンチで一緒に戦っていました」

東アジア選手権ではケガで欠場した古川だが、今大会から代表復帰。ハードなディフェンスと一瞬のフリーを見逃さない得点力で攻守を支える存在となっていた。その古川がケガ、馬場雄大は不調で自らのプレーを見失っている状況、田中大貴を引っ張らざるを得なくなり、田中のプレータイムは33分まで伸びることになった。終盤に田中のミスが目立ったのは確かだが、無理を強いられていたのも確かだ。

「やっぱりディフェンスしてリバウンドすることが大事」

古川はベンチから見守った試合展開をこう振り返る。「日本の良さが出た部分もありましたが、大事な場面で相手に流れを持っていかれてしまったのはすごく残念です。第4ピリオドは韓国の方がうまくコントロールしていましたが、あそこでどれだけチームとして戦えるかが今後の課題です」

「少し相手に対して受けてしまい、オフェンスがうまくいかない部分もありましたが、そこではなく、やっぱりディフェンスしてリバウンドすることが大事です」と、苦しい時間帯を踏ん張りきれなかった守備を課題に挙げた。

日本は奮闘したものの、韓国は試合巧者ぶりを発揮して上回った。ただ精一杯プレーするだけでなく、苦しい時間帯には耐え、波が来た時には一気に引き寄せる試合運びが、今後は求められる。ただ、これはすぐに改善できる問題ではない。「韓国の流れの中でもゲームをコントロールできなければ、絶対にこのレベルでは勝てません。でも、自分たちが戦えないわけでは決してありません。やらなければならない小さいことから徹底していくことが大事になります」と古川は言う。

向上している手応えはある。だが、ワールドカップまで2年、オリンピックまで3年と、これから日本が成長しなければいけない『高み』を考えた場合、残された時間は決して多くない。古川は言う。「次は大事なワールドカップへ向けたアジア予選が始まります。絶対に次は負けられないので、この経験を生かすという言葉だけでは終わらせたくないです。本当にチームとしてどれだけ戦えるか、選手たちが気持ちを一つにして戦えるか、自分たちのバスケットに対して何が良くて、何がダメなのかをみんなが理解して、誰がコートに出ても間違いなくやるべきことを遂行していくことが本当に大事だと痛感しています」