『個』の力で上回った男子日本代表、格下との戦い方に課題を残すも香港を撃破しグループ2位で予選を突破

2017/08/13
日本代表
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文=丸山素行 写真=FIBA.com

『格下相手』に緩み、立ち上がりに精彩を欠いた日本

アジアカップに挑む男子日本代表は、香港との予選ラウンド最終戦を迎えた。香港は過去のFIBA公式戦で14戦全勝、先日行われた東アジアカップでも6チーム中5位と、日本にとっては格下の相手。立ち上がりこそ拮抗した展開になるも、その後は地力で勝る日本がリードを広げる展開となり、92-59で大勝した。

先発は富樫勇樹、比江島慎、馬場雄大、アイラ・ブラウン、太田敦也。

しかし、日本は立ち上がりの悪さが目立つ。格下が相手ということで集中力を欠き、一瞬の油断からボールを奪われ、連携ミスからのパスミスやトラベリングなどターンオーバーを連発。6分半の間に6個のターンオーバーを犯した。それでも富樫の3ポイントシュートで逆転すると、相手のパスコースを先読みした田中大貴が、連続でボールを奪い速攻を決め、23-15で第1クォーターを終えた。

第1クォーターの終盤に本来の姿を取り戻した日本は、第2クォーターで香港を圧倒する。オフェンスではピック&ロールが機能し始めてボールの動きが活発になった。インサイドにボールが入り、中と外でバランス良く得点を重ねていく。馬場がアイラとのバックドアプレーから決めたバスケット・カウントはそれを象徴するシーンだった。

ディフェンスでは細かなドリブル技術やシュート精度を欠く相手に対し、しっかりとプレッシャーを与えタフショットを打たせ続けた。『個』の力で相手を上回りチームとして機能させず、1on1の延長のような形を作った。日本はこのクォーターを9点に封じ、力の差を見せつけた。

手綱を引き締めたタイムアウト、指揮官の言葉

22点をリードして迎えた後半、その余裕の展開が足かせとなる。リバウンドへの意識が欠如し、攻撃も単調となって思うように点差を広げられないでいた。残り7分30秒、オフェンスリバウンドを奪われ、3ポイントシュートを決められた場面で日本はタイムアウトを要請した。

フリオ・ラマスヘッドコーチは「今3人が走っていた、ボールを取ってから走らないと」と直前のプレーを指摘。ディフェンスリバウンドを確認せず3人が前線へ走ったことで、オフェンスリバウンドを奪われたことに気が付かず、数的不利な状況から3ポイントシュートを許していた。大量リードする展開でもラマスコーチにとっては見逃せない『ゆるみ』であり、指揮官が雰囲気を引き締めた瞬間だった。

その後、香港がタイムアウトを取った場面でも、「みんな自分が得点したいというマインドセットになるが、そうではなくて誰かの得点のために良いプレーをしましょう」とチームプレーの意識を強調した。ラマスコーチが手綱を引くことで、点差を詰められる時間帯はあっても崩れることはなく、タイムシェアをしながら終盤までクオリティを落とさず、速攻を何度も繰り出し要所を締めて香港を退けた。

ノックアウトラウンドでは立ち上がりの改善がカギに

結果だけを見れば33点差という日本の圧勝だが、ラマスコーチは「立ち上がりに集中を欠いてしまったことで、試合全体を通してアップダウンするような内容になってしまった」とターンオーバーを連発した序盤の戦い方を問題点に挙げた。

また「28アシストをして得点につながった良い場面もありましたが、冷静さに欠けてしまったプレイも見られ、相手に3ポイントシュートを打たれる状況を突かれたのは反省点です」とコメント。多彩な攻めからズレを作り、1試合を通して高いフィールドゴール成功率(54%)を残したことよりも、12本の3ポイントシュートを高確率(54%)で決められたことのダメージのほうが大きかったという。

それでもきっちり勝てたことは収穫。これで日本は対戦成績を2勝1敗とし、予選ラウンド2位通過が決定。次戦は14日深夜にベスト8を懸けて韓国と対戦する。ここからは負けたら終わりのノックアウトラウンド。香港戦のような楽な展開は望めないだけに、スタートからの緩みが出ることもないだろう。メンタルの持ちようは別として、試合の入り方には課題のある日本。ここから先はその課題を修正して戦う必要がある。