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「希望を叶えてくれたロケッツをリスペクトしている」

この夏、クリス・ポールのロケッツへの移籍が成立した。クリス・ポール1人との交換要員にロケッツが差し出した7選手には、昨シーズンの躍進に大いに貢献したパトリック・ビバリーが含まれており、ロケッツのファンは「非情だ」と思ったかもしれない。しかし、『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者のポッドキャスト番組に出演したビバリーは、「自分からトレードを要求した」と、移籍が自らの意思によるものだったことを明かしている。

「自分のスキルを高いレベルで発揮できる機会が欲しかった」と彼は言う。「幸運にも、ロケッツは僕が成功を収められるであろう環境を見付けてくれた。別のチームにトレードすることだってできたと思うけれど、僕の希望を叶えてくれたロケッツを本当にリスペクトしているよ」

昨シーズンはジェームズ・ハーデンの相棒として、主にディフェンスでチームに貢献。マークの執拗さもリーグ屈指で、スタッツに表れない部分でもチームの勝敗に影響を与える、いわゆる『汚れ仕事』を引き受けた。しかし新天地となるクリッパーズでは先発ポイントガードとしてオフェンスを牽引し、ブレイク・グリフィン、デアンドレ・ジョーダンを操る役割を任される。

ビバリーが「リスペクト」という言葉を使った意味は決して小さくない。選手の希望に最大限応じてくれるチームという印象が広まれば、選手の間でのロケッツの評価は上がる。今後、大物フリーエージェント選手を口説く際に、その評価がモノを言うこともあるだろう。

ポールの獲得を含め、球団のイメージアップにも成功したロケッツは、今のところ今オフ最大の『勝者』と言えそうだ。