文=丸山素行 写真=OkinaWanderer

沖縄のファンは「バスケットボールを純粋に評価している」

琉球ゴールデンキングスは今日、新ヘッドコーチとして迎えた佐々宜央の就任記者会見を開いた。佐々は東海大の学生コーチから、日立サンロッカーズ、栃木ブレックス、そして日本代表とアシスタントコーチを歴任。長谷川健志が栃木の、ルカ・パヴィチェヴィッチがアルバルク東京の新たなヘッドコーチに就任、アシスタントを務めた指揮官とBの舞台で戦うことになる。

以前からヘッドコーチをやりたいという願望があったという佐々だが、「まさか沖縄から声がかかるとは思っていなかったです」と当初の心境を明かした。それでも琉球のような大きなクラブでやりたいという気持ちと合致し、即決で」引き受けたと言う。

また琉球のファンが純粋に評価を下す文化が、ヘッドコーチを受けた理由の一つと明かした。「素直にファンが良いもの悪いものを言い、厳しい声が飛ぶ。バスケットボールを純粋に評価している魅力もあり選びました」

すでにチーム練習はスタートしており、「オフェンス能力は非常に長けている選手が多い」との印象を受けたと佐々。その中で「守備の面でどれだけ規律を重んじてやれるかが大事になってくる。守備面が今は欠けている」と現状のチーム状況を明かした。

日本代表のアイラ・ブラウンや古川孝敏を獲得するなど、オフの主役とも言えるほどの大型補強を行った琉球。選手の顔ぶれは昨シーズンとは様変わりしたが、「残った選手、新たに来る選手の技術や心の力を含めてチームを作っていくのがヘッドコーチ」と主張し、「欠けてる部分を補って、今いる選手の長所を出すのが一番の鍵」と、エゴを出さずに選手主体のチーム作りを行うと抱負を語った。

最大限の恩返しは「本拠地、沖縄でのプレーオフ開催」

来シーズンへの自信を聞かれ「あるんですが……」と話すも、「昨年優勝した栃木(ブレックス)、そこに近しい川崎(ブレイブサンダース)、(アルバルク)東京、彼らが優勝することでさえも簡単ではないと思います。優勝、優勝と言ってなれるものではない」と続ける。優勝することの難しさを知る佐々は現実を見据え、軽はずみな発言は避けた。

またバスケットボールは経験のスポーツと語り、自身が初めてヘッドコーチになること、そして若い選手が多いという『経験値』をウイークポイントに挙げた。それでも「だからこそ今を生きなければいけない。一日をどのチームよりも濃くして、一日から得た経験を積み上げて高いところに昇りたい」と強い決意を口にした。

佐々はファンに向け、沖縄でプレーオフを開催することで恩返しをしたいとコメント。「全員が飛行機に乗ってファイナルに行けるわけではないので、自分の最大限の恩返しは本拠地でのプレーオフ開催だと思っています。ここでプレーオフを開催して皆さんといけるところまでいきたいです」

積極補強を行い、優勝を狙える布陣が整った琉球。新たな指揮官の下、琉球がどんなバスケットを展開するかに注目が集まる。