取材・写真=古後登志夫

小林高校のバスケ部は男女ともに伝統のある強豪校。男子は清水太志郎や瀬戸山京介、前村雄大、小林慎太郎とプロで活躍する人材を輩出している。エースに清水を擁した1999年にはインターハイとウインターカップで準優勝の実績を残しているが、同じ宮崎のライバルである延岡学園に阻まれることも少なからずあった。ここ2年間は越えられなかった延岡学園という壁を打ち破り、今年はインターハイへと参戦する。どの選手にとっても初めてのインターハイ、彼らを育ててきた石川祐二監督も、自然と言葉に力が入る。

「当たり前のことをガムシャラにやるプレーを見てほしい」

──まずは小林高校のプレースタイルについて教えてください。

伝統的にディフェンスからブレイクという『走るスタイル』のバスケットを貫いています。私が来て7年目になりますが、それを継続してさらに進化した状態でやっているところです。

──監督のこれまでのキャリアを教えていただけますか。

私は中学高校と日向学院で、高校時代にはインターハイやウインターカップにも出場させてもらいました。その後は福岡大学で、4年生の時にキャプテンをやって、九州チャンピオンにもなっています。卒業後に宮崎に帰り教員になりました。

やるからには強いチーム、全国を目指すチームでやりたいという気持ちで教員になりました。私は小林高校の卒業生というわけではないのですが、宮崎県の代表と言えば小林だと考えていて、不安よりも楽しみな気持ちで就任しました。

──宮崎県と言えば小林と延岡学園の『2強』という印象が強く、全国大会に行こうと思うとどうしても延岡学園を倒さなければいけません。延岡学園への意識はどんなものですか?

ライバルの存在はありがたいです。選手たちにとっても私にとっても成長させてもらえる相手です。今回は延岡学園に勝たせていただいて宮崎県の代表としてインターハイに行くので、延岡学園の分も全国で暴れたいと思います。目指すは最低でもベスト8です。

──このところ勝てていなかった延岡学園に勝てた要因は何でしょうか?

たまたまウチのシュートが入ったところです。今年のチームは伝統のシュート力を磨いて、選手たちも一生懸命取り組んでくれましたので、どこからでも点数が取れることが強みです。

──注目選手を一人だけ挙げるとしたら?

背番号5の小川真興ですね。184cmのオールラウンドプレーヤーで、2番から4番までできます。3ポイントシュートもあるし、レイアップもできます。ディフェンスもチームのために一生懸命できるところが見えますので、この小川をエースとしてやっています。あとはポイントガードの島元順平がゲームをコントロールしていきながら、チームを作っていってます。

──いよいよインターハイですが、全国のバスケットボールファンに「小林のここを見てほしい」という部分を教えてください。

よく言われますが、ディフェンスを泥臭く一生懸命やって、高校生らしくルーズボールをしっかり追って、何としても点数につなげて相手の失点を減らす。そういう当たり前のことをガムシャラにやるプレーを見ていただければと思います。