文=丸山素行 写真=FIBA.com

第2クォーターに26-7の猛攻

女子アジアカップ2戦目、日本はライバル韓国と対戦。十分なタイムシェアを行いながらも、2桁点差をつけて連勝を飾った。

ケガ明けということもあり、昨日のフィリピン戦を欠場した髙田真希のミドルシュートで試合はスタート。日本が主導権を握るかに見えたが、韓国に難しいシュートを連続で決められ、開始4分弱で4-9とビハインドを背負った。

だが指揮官のトム・ホーバスに慌てる様子は全く見られず、むしろこの状況を楽しんでいるようだった。吉田亜沙美、町田瑠唯、藤岡麻菜美のトリプルガードを起用するなど、次々と選手を入れ替えていった。

第1クォーターを12-14でまとめた日本は、第2クォーターに得意のバスケットで韓国を圧倒する。最初のオフェンスで藤岡がジャンプショットを確実に沈め同点にすると、ここから『堅守速攻』が炸裂した。

ディフェンスでは1対1で守り切り、タフショットを打たせることに成功。アグレッシブなディフェンスでプレッシャーをかけ続け、何度もターンオーバーを誘発した。また積極的にオフェンスリバウンドにくる韓国に対し、球際の強さで競り勝ち、ディフェンスリバウンドを確実に保持したことで速攻を連発した。

日本は10-0のランで完全に主導権を握ると、ハーフコートバスケットでも韓国を圧倒。素早いパス回しからの連携でゴールを量産した。特に目立っていたのは長岡萌映子だ。1対1のポストプレーでインサイドの強さを見せれば、3ポイントシュート、ドライブからのバスケット・カウントと、どこからでも得点できる力を見せつけ前半だけで11得点を挙げた。

『堅守速攻』を体現し、このクォーターを26-7と圧倒した日本は、前半を終えて38-21と大量リードを奪った。

セカンドユニットでも安定した守備を披露

後半に入っても日本はタイムシェアをし、余力を残しながらの戦いとなった。セカンドユニット中心のメンバー構成になっても、攻守ともに質が落ちず層の厚さを披露。特に堅いディフェンスでタフショットを打たせ続けたことで、大崩れすることなく常に20点弱の点差を保ち続けた。

最終クォーター終盤に差し掛かり、楽勝ムードが漂い始めたが、その油断から軽率なパスミスなどターンオーバーを連発してしまう。残り3分25秒、ターンオーバーから3ポイントシュートを決められ13点差に詰め寄られた。

それでも藤岡が高速ドライブから連続で得点し、嫌な流れを払拭。ディフェンスを引き締めなおし、日本優位のまま時計を進め、最終スコア70-56で貫録勝ちを収めた。

終盤にドライブが輝きを放った藤岡がチームハイの14得点、前半の主役長岡が13得点と続いた。リバウンドでは32-41と苦しめられたが、速攻からの得点では18-6と圧倒。終始安定したディフェンスによって韓国から24(日本は13)ものターンオーバーを誘発し、試合を制した。

また最終クオーターのわずかな時間ではあるが、吉田のポストプレーを起点にするシーンがあるなど、1試合を通し様々なことを実践の中で試している印象を受けた。

4人が約30分出場した韓国に対し、日本は吉田の24分が最長で12人全員がプレーするなど、しっかりタイムシェアをしたうえで勝利したことは大きい。

明日は3連覇を達成する上で、避けては通れない格上のオーストラリア戦。今大会は若手の底上げも目的にしているが、強豪国からの勝利が一番の成長材料となるだろう。リオでのリベンジを晴らし、グループリーグ首位通過に期待したい。