アジアカップに臨む日本代表への定着に強い決意を持つ『遅咲き』の新戦力、水島沙紀「結果を残さないと意味がない」

2017/07/13
日本代表
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文・写真=鈴木栄一

ベンチスタート組で唯一の2試合連続2桁得点を記録

リオ五輪後では初めての主要国際大会となるアジアカップへ向け、女子日本代表は7月8日、9日にオランダと強化試合を行った。91-42、72-45とともに圧勝した中でも、ベンチメンバーで唯一の2試合連続で2桁得点を挙げるなど安定のプレーを見せたのが水島沙紀だ。

現在、26歳と年齢では代表の中堅クラスに位置する水島だが、今回が初めての代表活動となる。女子バスケットボール界における代表デビューでは遅い部類に入るが、昨シーズンはトヨタ自動車で主力として急成長し、その実力を代表活動でも存分に発揮。リオ五輪で主力として活躍した本川紗奈生に、篠崎澪と代表経験豊富な同世代との競争を制し、トヨタの同僚である近藤楓とともにシューティングガードのポジションで、アジアカップへの切符をつかんだ。

今回のオランダ戦、水島は2試合ともに豊富な運動量をいかした激しいディフェンスを披露すると、8日の試合では3ポイントシュート4本中3本成功を含む11得点。そして続く9日の試合では、フリースローでの4得点などインサイドへのアタックを主体に10得点をマーク。内、外の両方で点を取れる長所をしっかりと示した。

9日の試合後、水島は自身のプレーについて次のように振り返っている。「個人的には今日の入りは、攻めなきゃという気持ちが強すぎて空回りした部分がありました。後半は自分のプレーができて良かったです。(昨日、今日と得点パターンが大きく違ったことについて)私はもともと3ポイントシューターではありません。昨日はたまたまノーマークにしてくれたので、それをしっかり決めることができました。今日は相手が3ポイントを警戒していて間合いを詰めてきたので、内にアタックすることを意識しました」

また、「ゴール下へのドライブにディフェンスと、トヨタの時と役割は変わらないので、いつも通りやれています。ただ、トヨタの時と比べると、代表ではインサイドの選手にしっかりボールを入れる回数は増えていると思います」と続け、代表でもすぐに馴染んでプレーできている模様だ。

高校の同級生、渡嘉敷来夢とともに戦う日を待ちながら

ちなみに9日の試合には、母校である桜花学園の井上眞一監督が観戦に訪れていた。「井上先生が来ていることは、すぐに気づきました。ちょっとプレッシャーは感じました」と照れ笑いを浮かべる水島だが、恩師を安心させるプレーを見せられたのではないだろうか。

桜花学園といえば、水島にとって一つの大きな目標となっているのが、同級生である渡嘉敷来夢と代表と一緒にプレーすることだ。しかし今回は渡嘉敷がWNBAシアトル・ストームでのプレーを優先したことで、惜しくも実現しなかった。

「今回は『帰ってこないよ』と連絡がありました。ずっとSNSで連絡は取っていて、途中ケガをした時もどこで知ったのか『大丈夫?』とメッセージをくれたりして心強かったです」と語る水島は、「彼女が今後、代表に入って来るのは当たり前のこと。あとは私が残れるかどうかなので、その意味でも次回に向けて頑張っていきたいです」と意気込む。

リオ五輪で世界を沸かせたスピードとともに、今回大きな特徴となっているのは、強化試合で長岡萌映子、宮澤夕貴、大﨑佑圭とフォワード、センター陣にもアウトサイドシュートに長けたメンバーで先発を組んでいる点だ。

だからこそ「私が得意なのはドライブ。チームにはシューターが多くいるので、そこは任せて自分はドライブからパスをさばいたり、シュートにいくことで貢献したい」と述べるように、インサイドへの強力ドライブで守備を崩すことができる水島は、前述の3人の外角シュートをより生かせる特性の持ち主としても注目だ。

「残ったからには、いない人の分も頑張る。選考を生き残ったことで自信は付きましたし、結果を残さないと意味がないと思っています」とアジアカップへの意気込みを語る水島。まだ、「ちょこっとしか考えられないです」という東京五輪への可能性を高め、渡嘉敷と一緒に日の丸をつけてプレーする目標を実現させるため、アジアカップから遅咲きの新戦力の代表定着に向けた戦いが始まる。