急成長を遂げた『未完の大器』、シェーファー・アヴィ幸樹は「ひとまず何かを残せて良かったです」と胸を張って帰国

2017/07/12
日本代表
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文=丸山素行 写真=FIBA.com

「信頼してもらっているのは分かりました」

昨日、U-19ワールドカップを過去最高位となる10位で終えた男子日本代表が帰国した。

好成績の理由の一つに、世界の舞台で高さ負けしなかったことが挙げられる。八村塁とシェーファー・アヴィ幸樹の台頭は、日本の課題であったインサイドの問題を解決した。「小さい分、自分がリバウンドやインサイドのディフェンスを頑張らないといけない。今大会のセンターはほぼ僕と塁だけだったので、信頼してもらっているのは分かりました」とシェーファーは自らの役割を心得ていた。

外角からのシュートを主体とする日本にとって、オフェンスリバウンドは重要なカギを握った。シェーファーはゴール下で身体を張り、何度もオフェンスリバウンドを奪って、味方のシュートミスを押しこんだ。「オフェンシブリバウンドは割と得意だったのですが、思ったよりもできたので自分にびっくりしました」と屈託のない笑顔で話す。

特にシェーファーがベストゲームに挙げた韓国戦では、その高さが遺憾なく発揮された。「第4クォーターに11点差くらいで負けていて、怒涛の追い上げでしたね。覚醒したとまでは言わないですけど、韓国はなんだかんだでアジアのチームでそんなにサイズもなかったので、塁と僕でインサイドを完全に支配できたのが大きかったです」と、10得点10リバウンド(6オフェンスリバウンド)のダブル・ダブルの活躍で逆転勝利の立役者となった。

こうしたワールドカップでの活躍について聞くと、自分の役割を全うするというシンプルな考えが高パフォーマンスに繋がったのではと分析した。「僕は技術がないので、とにかく走って身体を使って頑張ることだけに集中していました。変に考えなかったのが良かったと思います」

「全試合で活躍したかったですが、ひとまず何かを残せて良かったです」

「1対1で負けたとしても組織力で勝てる」

ワールドカップは準決勝でアメリカを破ったカナダが優勝。日本は予選ラウンドで対戦し、75-100と大差で敗れている。「カナダ戦は完全に身体の強さや技術の差でタップどころではなかったです。カナダの能力はやっぱりすごかったです」と強さ、速さ、高さを兼ね備えた相手を素直に称賛した。

それでも世界一のチームに対し、「日本は1対1で負けたとしても組織力で勝てると思うので、組織力で上回れば……」と頼もしい言葉も飛び出した。

それでもチームが解散した今、それぞれの『個』をレベルアップさせる時期に入った。「アメリカでレベルの高い環境に身を置いて頑張るしかないです」と語るシェーファーは、この秋からジョージア工科大に進学する。ゴンザガ大に所属する八村が、日本人初となるNCAAトーナメント出場を果たしたことで注目を浴びたが、ジョージア工科大も同じNCAAディビジョン1に属する強豪校だ。

「1年目はそんなにプレータイムをもらえないのは分かっています。練習からレベルが高いし、すごく良い監督もいます。限られたプレータイムの中で吸収できるものは全部吸収して、とにかく自分のレベルアップをする年だと思っています」と向上意欲を語った。

強豪校への進学も決まり、ワールドカップで結果を残し絶好調のシェーファー。あらためてバスケ歴を問うと、またしても屈託のない表情を浮かべ「秋でちょうど3年目です」と答えた。このバスケ歴の浅さが彼の謙虚な学ぶ姿勢を構築し、成長を早めている。ワールドカップを経て、一回り成長した彼の活躍にこれからも注目したい。