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NBA初優勝を実現するため『トレード拒否条項』を破棄?

先週、ニックスは前球団社長のフィル・ジャクソン解任という荒療治に出た。それ以後、カーメロ・アンソニーを取り巻く状況にも変化が起こりつつある。

ジャクソンは、自身が最適と考える『トライアングル・オフェンス』にフィットしないアンソニーの放出に向け、トレードを検討すると公言していた。そのジャクソンが解任されはしたものの、アンソニーは契約に含まれる『トレード拒否条項』を破棄してニックスを離れることを検討していると、『ESPN』記者のエイドリアン・ウォジナロウスキーが伝えた。

アンソニーは公私ともに仲の良いクリス・ポールが加入したロケッツか、レブロン・ジェームズを中心とするキャバリアーズへのトレードを希望しているという噂。

「ロケッツかキャブズ」という選択肢からも分かるように、アンソニーの希望はキャリアでまだ成し遂げていないNBA優勝に他ならない。ポールとジェームズ・ハーデンの新デュオが結成されたロケッツ、またはレブロン、カイリー・アービング、ケビン・ラブの『ビッグ3』を擁するキャブズにアンソニーが加われば、ウォリアーズの対抗馬として俄然注目が集まる。

ただ、もしニックスがアンソニーを含むトレードで過度な見返りを要求すれば、アンソニー自身がトレードを受け入れない可能性もある。優勝するために必要なメンバーがニックスにトレードされてしまっては本末転倒だからだ。今後も両者の「腹の探り合い」は続くだろう。

33歳になったアンソニーは、昨シーズン平均22.4得点を記録した。近年では得点力の衰えも指摘されるが、ポールやハーデン、あるいはレブロンのように、チームメートの力を引き出せる選手と一緒にプレーできれば、まだまだトップクラスのスコアラーとして活躍できるだけの力は残っているはずだ。

ポールに続き、再び大型トレードが成立するかどうか、ニックス周辺の動向に注目したい。