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サラリーキャップを空け、来夏の大物獲得を可能に

6月22日に行なわれるNBAドラフトを前に、セルティックスとセブンティシクサーズが指名権交換のトレードを成立させた。すると今度はレイカーズが動く。ポイントガードのディアンジェロ・ラッセルとセンターのティモフェイ・モズゴフと交換で、ネッツからビッグマンのブルック・ロペスと今年のドラフト全体27位指名権を獲得することに合意したのだ。

ラッセルに見切りをつけた以上、レイカーズが22日のドラフトでUCLAのロンゾ・ボールを指名することが確実となった。両選手の放出、並びに来シーズン終了後に現在の契約を満了するロペスを含め、レイカーズは来夏およそ4200万ドル(約47億円)もの資金をフリーエージェント選手との契約に使えるようになる見込みだ。

これで2018年の夏にフリーエージェントになるポール・ジョージを迎え入れるシナリオが現実味を帯びてきたわけだが、レイカーズが考えているのは、その何倍も大きいプランなのかもしれない。

今回のトレードにより、レイカーズは今年のドラフトで全体2位指名権だけでなく、27位と28位の指名権も手に入れた。『LA Times』は、1年後にジョージを獲得するのではなく、27位と28位指名権にジョーダン・クラークソン、あるいはジュリアス・ランドルを加え、近日中にペイサーズからジョージをトレードで獲得する可能性があると伝えた。

レブロンにはハリウッド暮らしを、ラスには優勝を提案

若手育成による再建を第一に考えるのであれば、相思相愛と言われるジョージがフリーエージェントになるのを待てばいい。しかし、レイカーズがジョージ以外に狙っていると噂されるターゲット2人を獲得するには、優勝できるチーム作りが不可欠になる。

そのターゲットとは、レブロン・ジェームズとラッセル・ウェストブルックだ。

地元に優勝をもたらすため2014年にヒートからキャブズへの復帰を決めたレブロンは、2016年6月、悲願の球団初優勝に貢献。今年は宿敵ウォリアーズに完敗を喫したが、あと数年は全盛期を維持できるだろう。そしてレブロンは、以前受けたインタビューで「キャリアの最後をハリウッドで過ごしてみたい」とまで発言している。

ジョージと同じくロサンゼルス出身のウェストブルックとて、地元に凱旋し、ジョージ、レブロンとの『スーパーチーム』結成のチャンスがあるのなら、年俸減額を受け入れてでも移籍を検討する可能性はある。

レブロンもウェストブルックも来夏にフリーエージェントとなる。現時点では、『あり得ない』と一蹴される話ではある。しかし、数日前の時点で、どれだけの人間が、レイカーズが生え抜きのラッセルをあっさり放出すると考えていただろうか? それだけNBAのビジネスは展開が速く、情勢を読み違えればメリットもデメリットに変化してしまう。

マジック・ジョンソンを球団社長に起用し、コービー・ブライアントら大物選手の代理人を務めたロブ・ペリンカをGMに抜擢したレイカーズは、自らが起点となり、NBAに大波を起こそうとしているのかもしれない。