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「自分もチームメートも努力してここまで来たんだ」

日本時間の本日10時より、いよいよNBAファイナルがスタートする。昨日の前日練習と会見で、静かに試合への準備を行ったキャバリアーズの大黒柱、レブロン・ジェームズ。ロサンゼルスに所有する自宅のゲートに人種差別的な落書きをされる蛮行に遭った。

「明日の試合には集中する」と話した一方で、「自分にとって何が最も大事かは分かっているよ。バスケットボールは、自分の人生において最重要ではない」と、家族への思いを語った。

当然、プロアスリートの本分は、試合に集中して競技のパフォーマンスで話題を提供すること。にもかかわらず、2017年という時代を迎えても変わらない人種問題について言及せざるを得なかったレブロンの心痛は、察するに余りある。

だからこそ、ここではレブロンのファイナルに関するコメントだけを紹介する。「自分の力を証明したいか」という記者の問いをレブロンは明確に否定し、こう説明している。

「それは20代の頃の話。30代になって、自分がこれまで何をしてきて、何のためにプレーしているかは自分で理解できる。今の僕にとって唯一の目標は、どのシーズンも優勝を目指してプレーすることだ。だから、またファイナルの舞台に来ることができて感謝している。自分もチームメートも努力してここまで来たんだ」

昨シーズンは地元キャバリアーズにNBA優勝のタイトルをもたらすという『大事業』を成し遂げた。だが、レブロンにとってはもう過去のこと。「満足したら独りよがりになってしまう。チームのみんなと達成できた去年の優勝は素晴らしかった。でも僕は満足しない。去年も優勝のお祝いは数日だけで、すぐにトレーニングに戻った。また優勝するためにね」

キャバリアーズとウォリアーズ、どちらが勝つかを予想するのは非常に難しい。ただ、レブロン・ジェームズの意識がレベルの低い愚行に邪魔されないことを願いたい。一昨シーズンはカイリー・アービングが不在、昨シーズンはステフィン・カリーが深刻なケガを抱えていた。3年スパンで見れば『1勝1敗で迎えた決戦』であり、両チームとも良好なコンディションで臨む。ここに100%プレーに集中したレブロンがいないとなれば、興ざめとなってしまう。