千葉ジェッツの島田慎二代表、兼任のままBリーグ副チェアマン(副理事長)に就任へ「Bリーグには顧客視点が足りない」

2017/06/05
Bリーグ&国内
66

文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦、千葉ジェッツ

川淵キャプテン「常に島田さんのことが頭にあった」

5月31日、Bリーグが会見を開き、役員候補者選考委員会の川淵三郎会長が来シーズン以降のBリーグ役員人事として、千葉ジェッツ代表の島田慎二を副理事長に据えることを発表した。

「常に島田さんのことが頭にあった」と言う川淵キャプテンの島田代表への思い入れは相当なもの。「大河(正明)チェアマンが大役を引き受けてくれて、順調にここまで来たが、このままの勢いで行けるとも思っていない。経営という点で大河チェアマンの補佐役が必要だと考え、しつこく彼にはアプローチをしていた。『千葉ジェッツの代表を辞めないで、大河チェアマンの下で働けるのであれば』という話になり、選考委員にその旨を話した」と川淵キャプテンは言う。

リーグとクラブは時に利害が対立する。クラブの代表がリーグの役職者を兼務すればライバルを出し抜く『我田引水』の決定も下すことができる。そのため他の競技では類を見ない形となるが、川淵キャプテンは強い口調でこう語る。

「それでもBリーグは発展途上で、成長を一番に考えるべき。この組織の健全な発展が確認できた時点で、世間の『組織の在り方』に戻せばいい。それまではBリーグを発展させていくことを考えたい。そうやって理事の皆さんの理解を得て今回、島田さんにお願いをした。一つのクラブの代表が副チェアマンになる例はないと思うが、例がないからBリーグができたので、気にする必要はない。自分のクラブに有利なことをなんて、そんなケチなことを言う人じゃない。そんな人を私は選ばない」

「今が悪いとは思いませんが、このままではダメ」

千葉の島田代表は次のように持論を語る。「かなり前からご相談はいただいていた。私が行かなくても良い状況であれば良いと思っていましたが、最初は盛り上がったが2年目、3年目も順調に上昇気流に乗っていくとは思っていなくて、やらなくてはいけないことは多いと考えていた。一番はクラブ経営者の視点がない、顧客視点が足りない」

「夢のアリーナやエンタテインメント、代表の強化。すべてはお金がいる。私はスポーツをやっているつもりはなくて、ビジネスをやっている。そういう意味では『バスケットだから』という常識はなしに、しっかりと稼げる体制を作りたい。お金がなければ代表の強化にしても、環境を整えることもできないし、海外遠征をすることもできない」

「220万人を超えてマーケットが変わったことで、昨年までに比べたらメディア露出も増えている。ただ大事なのは持続的成長を可能にしていくこと。今が悪いとは思いませんが、このままではダメ、成長がない。もっと高いレベルを見なければならない」

千葉の『感謝祭』で支援者に頭を下げる川淵キャプテン

この日の夜には千葉ジェッツが支援者を集めて『感謝祭』と題したパーティーを行った。ここで島田代表は関係者に向けてBリーグ1年目のシーズンを報告するとともに、リーグの副チェアマンを兼任することを説明した。

そして、この場には川淵キャプテンも登場。千葉の支援者を前に、Bリーグの発展に島田代表がどれだけ必要かと熱弁を振るった。「皆さんには事後承諾になってしまうけど、心からそのお詫びと、このBリーグの発展は千葉ジェッツの発展にもつながるので、皆さんに了解を得るためにこの場にまいりました」

こう言って頭を下げる川淵キャプテンに、参加者は拍手で応じた。

正式な人事としては9月末の総会を待つことになるが、Bリーグで行われた会見で大川正明チェアマンは「6月から2018-19シーズン以降の中期計画を立てなければならない。実質的に副理事長としてリーグに入って仕事をしてもらう」と期待を寄せた。