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5年234億円のスーパーマックス契約を結んで残留が基本線

クリッパーズのクリス・ポールは、今夏にプレーヤーオプションを行使してフリーエージェントになることが濃厚だ。それでも、金銭面で最大の条件を提示できるのはクリッパーズで、5年2億1000万ドル(約234億円)という超大型契約の提示ができる唯一のチーム。フリーエージェントとなった上でスーパーマックス契約を結ぶのが基本路線だ。

NBA選手会の会長を務めるポールは、2017年7月1日から有効になる新労使協定に関する交渉をNBA側と行なった際、スーパーマックス契約の有資格年齢上限を36歳から38歳に引き上げるよう求め、その希望を勝ち取った。つまり、仮に今夏クリッパーズと5年契約を結んだとしても、新契約を満了するのは37歳の年で、今のレベルを維持できていれば他チームとさらに大型契約を結べる可能性がある。

5年後はともかく全盛期である32歳の今、ポールが大型契約をあきらめる必要はない。

そんな中、『ESPN』のザック・ロウ記者は、ポールがスパーズに移籍する可能性があると伝えている。スパーズのポイントガードはトニー・パーカーとパティ・ミルズ。パーカーは年齢による衰えが次第に出てはいるが代えの利かない存在で、ミルズもバックアップとしては十分な存在。また、スパーズにはポールを満足させられるだけの契約を提示できる空きがキャップスペースにないという事情もある。

ただ、ウォリアーズとのカンファレンス決勝で分かったとおり、35歳のパーカーがこれからシーズンを通して働くのを前提とした編成はリスクが大きい。何かを変えなければならないとしたらポイントガード、そこでポールがフリーエージェントになる。

そしてクリッパーズ側にも事情がある。今オフにはポール以外にもブレイク・グリフィンがプレーヤーオプションを行使する可能性があり、JJ・レディックはフリーエージェント権を取得する。ジャズとの西カンファレンス1回戦で敗退したクリッパーズがさらに上のレベルに到達するには、現在のロスターでは限界という周囲の指摘も多く、球団社長を兼任する指揮官ドック・リバースの決断に注目が集まっている。

ポールとしては、やはりクリッパーズとの再契約が一番の選択肢ということになるだろう。ただ、交渉事に『絶対』はない。スパーズを含む他チームの出方次第で、ポールが移籍する可能性もゼロではない。