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昨シーズンの『悪夢』を経験しているからこその言葉

ウォリアーズは、強豪スパーズとの西カンファレンス決勝をスウィープ(4勝0敗)で終えたにもかかわらず、カンファレンス優勝を盛大に祝おうとはしなかった。

もちろん、ウォリアーズの選手もスタッフもカンファレンス優勝を喜び、3年続けてNBA優勝をかけファイナルで戦う機会を得られたことに安堵しているのだろうが、ここで終わっては意味がないことを昨シーズンに経験している。

思ったことをストレートに表現することで知られるドレイモンド・グリーンは、『USA Today』に対してこう語っている。「もちろん、3シリーズ続けてのスウィープは素晴らしい結果だけど、最終的には4勝3敗ばかり続いてシリーズを勝ち抜いたとしても、別に今と一緒なわけだろ。だから、あまり意味はないんだ」

グリーンがこう言うのも無理はない。因縁のライバル、キャバリアーズと対戦した昨年のNBAファイナルでは、3勝1敗で王手をかけた後、まさかの3連敗を喫し、地獄を見せられたからだ。

グリーンは言う。「大事なのは優勝という結果を残すこと。もしファイナルでも4勝0敗で勝てたら最高。4勝3敗で優勝でもすごいこと。あと4勝、それをどういう形で取ろうと関係ない。とにかく優勝することがチームの目標なわけだから」

昨年までと異なる点として、グリーンはチーム内の雰囲気を挙げている。それは、3年連続のカンファレンス優勝という快挙を達成した後も、祝勝ムードを自然と自粛したことからも見て取れた。

「カンファレンス優勝が毎年当たり前だなんて思っていない。ただ、今回はこれまでと違うフィーリングがチーム内にはある。『まだ何も終わっていない』という雰囲気で、普段と変わらない。本当のゴールに到達するにはあと4勝必要なわけだから、そういう気持ちを持つのは大事だと思う」とグリーンは語った。

どれだけシリーズを有利に進められたとしても、『レブロン・ジェームズ』という絶対的な個の存在によりすべてが180度転換することを、彼らは経験から学んだ。キャブズに煮え湯を飲まされたウォリアーズは、去年までとは一味違う姿勢で、リベンジマッチの舞台が整うのを待っている。