『過密日程対策』の栃木ブレックス、エンジン全開の千葉ジェッツに連日の敗戦、ホームアリーナでの地区優勝決定を逃す

2017/04/30
Bリーグ&国内
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文=大島和人 写真=B.LEAGUE

お得意の3ポイントシュート攻勢で千葉が先手を取る

栃木ブレックスにとっては、今週末がレギュラーシーズン最後のホーム戦。また千葉ジェッツとの連戦は『あと1勝で地区優勝が決まる』という大一番だった。昨日の初戦は栃木が77-84と落としており、30日はホームで東地区優勝決定を見守る最後のチャンス。ブレックスアリーナ宇都宮に詰めかけた観衆は4058名を数え、今季最多というだけでなく、栃木県内のホームゲームではクラブ史上最多の数だった。

ただし栃木はジェフ・ギブスを負傷で欠き、トーマス・ウイスマンヘッドコーチには過度の疲弊をすることなく8日間で5試合という連戦を終えたいという意図もあった。指揮官は「チャンピオンシップへ良い形で持って行くために、ハードスケジュールの中でマネージメントする必要があった」と述べている。

外国籍選手オン・ザ・コート数は、両チームとも昨日に続いて「1-2-1-2」。

栃木は遠藤祐亮の3ポイントシュートで先制すると、ライアン・ロシター、遠藤がポイントを重ねて7-0といきなりリードを広げる。しかし千葉もマイケル・パーカーのダンク、タイラー・ストーンの連続3ポイントシュートなどで逆転に成功。千葉が23-22で出だしの10分間を取った。

第2クォーターに入ると試合の流れはハッキリと千葉に傾く。千葉は第1クォーターの途中からコートに入っていた原修太が残り6分59秒、残り4分38秒、残り3分29秒と3連続で3ポイントシュートを決める大活躍。第2クォーターだけで11得点を挙げ、この10分間のラッキーボーイになった。

栃木も古川孝敏が高確率でアウトサイドからのシュートを決め、須田侑太郎らのベンチメンバーも持ち味を見せていた。第2クォーターの残り26秒には新人の生原秀将が3ポイントシュートを決めて追い上げる。しかし千葉も残り5秒でストーンがこの日15点目となるジャンプショットでお返し。千葉が49-36と大きなアドバンテージを得て前半を折り返した。

ギブスの欠場に加え、遠藤と田臥もプレータイムを制限

栃木は第3クォーターの出だしこそ『いつもの5人』に戻したが、田臥勇太や遠藤はすぐベンチに下げ、プレータイムをはっきり抑えていた。ウイスマンヘッドコーチはこう説明する。「遠藤は昨日の試合でふくらはぎを少し傷めていて、あまり無理させたくないということで、今日は12分にプレー時間を抑えた。勇太も36才とベテランの域で、疲弊させる必要はない」

ただ、何より千葉のオフェンスが機能していた。第3クォーターの千葉は富樫勇樹、石井講祐のガード陣を中心にリードをさらに広げていく。第3クォーターを終えた時点で、71-54という大差が付いていた。第4クォーターの早々にもストーンが3ポイントシュートを決め、点差は20点差まで広がる。

それでも栃木はここから意地を見せた。須田侑太郎のフリースローや、橋本晃佑の3ポイントシュートなどで9-0のランを見せて63-74まで追い上げる。第4クォーター残り6分59秒には、トミー・ブレントンが鮮やかなブロックショット。残り2分50秒にロシターがシュートを決めると、72-79と相手を射程圏内に捉えていた。アリーナもシュートが決まるたびにボルテージが上がり、反撃を後押しする。

しかし千葉はここで富樫がヒルトン・アームストロングとのピック&ロールから、残り1分49秒、残り57秒と立て続けに3ポイントシュートを決めてダメを押す。千葉が最後まで食い下がる栃木を振り切って、90-84で連勝を飾った。

前回苦戦したゾーンディフェンスをきっちり攻略

栃木は事前に予定した通り、田臥が10分35秒、遠藤が12分24秒とメインガード2名のプレー時間を抑えた。ライアン・ロシターも20分程度という事前の予定よりは伸びたが、それでも25分23秒のプレーに止まった。

途中出場ながら25分以上の出場時間を得た渡邉裕規は「橋本、須田といったメンバーがアグレッシブにプレーしたことは、負けはしましたけれど良いこと」と振り返る。普段は『第3の外国人』となっているブレントンも5得点止まりながら9リバウンド7アシストと貢献。ウイスマンヘッドコーチも「チャンピオンシップに向けてベンチメンバーの経験が必要だと思っていた」と収穫を口にしていた。

また栃木はギブスがいない中でもリバウンドで「46-30」と千葉を圧倒。ただしターンオーバーが13個と千葉よりも7つ多く、オフェンスの回数で上回ることができなかった。ディフェンスも千葉のアウトサイドをオープンにしてしまうことが多く、それが相手の3ポイントシュートにつながっていた。

千葉は前回の対戦で苦しんだ栃木のゾーンディフェンスに対して、きっちりアジャストした。富樫も「相手がゾーンできた時に1回はインサイドに入れるということをかなり意識して入っていた。そこが上手くいって、相手のゾーンが縮まった時にキックアウトして、というのが上手くいった」と振り返る。ストーンが5本、富樫、石井、原が3本ずつと大量の3ポイントシュート沈めて、確率的にも35本中15本成功(42.9%)という見事な数字を残した。ストーンはアウトサイドだけに偏ることなく、30得点を記録してこの試合のポイントリーダーとなった。

千葉はこれで6連勝。すでにチャンピオンシップ出場は決めているが、東地区2位に浮上すれば1回戦をホームで開催できるため、残り3試合も勝って9連勝でレギュラーシーズンを終えることが今の目標だ。栃木はホームゲーム最終節にして、今シーズン初の同一カード連敗を喫した。最終的にはチャンピオンシップを勝ち抜いてBリーグ初代王者を目指す両チーム、そのアプローチが異なるのは面白い。