[CLOSE UP]玉木祥護(筑波大学)日本代表合宿を心底楽しみつつ、ひた走る上達への道「ここからどれだけ上がれるか」

2017/04/28
Bリーグ&国内
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文・写真=丸山素行

「センターしかできません」の現在、スキル習得に励む

男子日本代表第4強化合宿にも、筑波大の新3年生、玉木祥護の姿があった。2月にはユニバーシアード競技大会に向けたU-24日本代表の候補選手としてスプリングキャンプに参加していたが、前回の第3次合宿に呼ばれると、今回はA代表で2度目の合宿参加となった。

195cm98kgと堂々たる体躯は、Bリーグで活躍するプロ選手と比べても見劣りしない。そしてスピードには目を見張るものがある。玉木は自分の強みを「他のセンターよりは早く動けるのと、ジャンプくらいですかね」と遠慮がちに話すが、速攻の練習で自分がフィニッシャーになる際はダンクを連発するなど、コート上では大いに目立っていた。

背が高いだけでなく幅がある、「ゴツい」という表現が合う彼の体重は順調に増えている。特に去年からのウェイトトレーニングの成果が出ているという。「2年の初めのスプリングキャンプの時に、左の腓骨を疲労骨折してウェイトしかできなかったんです。そのおかげで一気に体重が増えました」

その玉木は高校から本格的にバスケットボールを始めた選手。そのためボールを扱うスキルは苦手。「僕は点数よりリバウンドです。できれば4番もやりたいですが、まだシュートが下手だしハンドリングもないので、5番しかできません」

それでも練習後にはコーチの下でドリブルワークをこなし、代表合宿の場でも弱点を克服しようと地道な努力を重ねていた。

プロが集う代表合宿も「楽しい雰囲気を作ってやりたい」

2度目の代表合宿に参加した感想を聞くと、「もちろん楽しいですし、刺激になります。こうやってプロの選手とかかわることのできる機会は少ないので、どれだけ吸収するかっていうところです」と目を輝かせる。

それが練習であれ、プロ選手とマッチアップできるのは良い機会。玉木はこのチャンスに臆することなく、楽しみながらプレーした。ピック&ロールでスイッチし、ガードのマークに付く練習では松井啓十郎とマッチアップ。「ヤバい抜かれる! とドキドキでした」と話すその表情は心底楽しそうだ。

緊張しすぎては自分を発揮できない。臆していては戦えない。適度な緊張感を保ちつつプレーを楽しむことが上達の秘訣。玉木は「練習は楽しく雰囲気を作ってやりたいですし、選手同士の関係も楽しんでいきたいです。でも集中しないとコーチに怒られちゃうので(笑)」とオチ付きで話してくれたが、トップ選手が集まる中で、良いメンタルで上達に取り組める選手はあまりいない。

代表への思いを尋ねると、自分の現在地をしっかり見つめこう答えた。「もし残れたら万々歳って感じです。他の選手はみんな強いので。フィジカルで押し負けて全然ダメです。自分の弱さ、足りなさにガッカリしてます」

ここで初めてネガティブな言葉が出てきたが、表情はすぐさま笑顔に変わり、ポジティブな言葉が返ってきた。「でも、こういう機会をもらえてるのは成長するための糧になりますし、ここからどれだけ上がれるかですよね」

競技歴がまだ浅いだけに、伸びしろは誰よりも残されている。「ゴツい」身体もある。その上『楽しむことが上達への近道』を自然体で体現できるのだから、どこまで成長していくか想像がつかない。スピードとジャンプ力を自分の強みに挙げた玉木だが、一番の武器はその物怖じしない性格なのかもしれない。