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2ポゼッション以上離れないシーソーゲームに

2勝2敗で迎えたセルティックス(東1位)とブルズ(東8位)のプレーオフ第5戦。

立ち上がりから6-14とブルズに先行を許すも、2つ目のファウルを犯したロビン・ロペスがベンチに退いたのを機にセルティックスが盛り返し、23-20と逆転して第1クォーターを終える。その後は互いに一歩も引かず逆転を繰り返し、最大でも5点しか離れない接戦に。ターンオーバーは多いがシュート精度の高いブルズと、シュート精度の低さをターンオーバーの少なさとセカンドチャンスポイントで補うセルティックスという構図で、一進一退の攻防が続いた。

第3クォーターのラストプレーもジミー・バトラーによる3ポイントシュートのブザー・ビーターで、81-79とブルズが逆転。どちらに転ぶか全く予想の付かない中で最終クォーターを迎えた。

第4クォーター開始1分、ターンオーバーからポゼッションを得たセルティックスが、一つのズレから連動した動きの中でヨナス・ジェレブコがダンクを決めて同点に追い付く。ブルズのディフェンスを完璧に崩すこの得点が、流れをセルティックに呼び込む。

ターンオーバーからの得点が長く続いた接戦の明暗を分ける

ドウェイン・ウェイドにフリースローで突き放されるも、ジェレブコがアリウープパスをカットし、アイザイア・トーマスの速攻が決まる。2つのターンオーバーを得点に繋げたセルティックスが86-85と再び逆転した。さらに直後のディフェンスで、ジェレブコとマーカス・スマートのダブルチームからウェイドのターンオーバーを誘発。残り9分26秒、早くも3つのターンオーバーを犯したブルズはたまらずタイムアウトを要求した。

さらにセルティックスは加速する。ブルズはタイムアウト明けに3秒バイオレーションを取られ、またしてもターンオーバー。それで得たポゼッションでケリー・オリニクがタフなバスケット・カウントを沈めた。

極め付けは残り7分56秒ブルズのスローインの場面、呼吸が合わず、バトラーのインバウンドパスをロペスがスルーしてしまう。これを拾ったアル・ホーフォードが難なく持ち込んでダンクを決める。これで91-85、第4クォーター開始からの4分間で相手のターンオーバー5つすべてを得点に繋げたセルティックスがこの日最大の6点のリードを奪った。

均衡が破れ、焦ったブルズはテクニカルファウルで自滅

その後、残り5分15秒でブルズはチームファウルが5つに到達。その途端にトーマスはファウルを誘う試合巧者ぶりを見せる。この2本を決めた後、ウェイドのテクニカルファウルで得たフリースロー3本も確実に決めて101-89とリードを2桁に乗せた。

ブルズは焦るばかりで立て直しが効かない。残り4分20秒、5つ目の個人ファウルをコールされたロペスが、審判に抗議してテクニカルファウルを取られるなどブルズは自滅。チームファウルが5つに達している状況もあり、ブルズにこの点差を覆す力は残っていなかった。最終スコア108-97でセルティックスが勝利した。

ブルズはフィールドゴールの成功率でセルティックスを上回ったものの16のターンオーバーを犯し(セルティックスは6)、セカンドチャンスポイントを23点(ブルズ4点)与えたことが大きな敗因となった。また特筆すべき点はセルティックスのフリースロー成功率だ。特に最終クォーターで威力を放ったフリースローを、1試合を通しすべて成功させている(23本中23本)。

まさかの2連敗スタートとなったセルティックスだが、これで対戦成績を3勝2敗とし、第1ラウンド突破に王手をかけた。カンファレンス1位の意地でそのまま押し切るか、それともギリギリでプレーオフ進出を決めたブルズが底力を見せるか、どちらにしても熱戦が期待される。