写真=Getty Images

記者の質問に「そんなことを考えられる状況じゃない」

ペイサーズの2016-17シーズンは、東カンファレンス1回戦でキャバリアーズに4連敗を喫する形で幕を閉じた。

誰よりも悔しいのはエースのポール・ジョージだろう。なにしろ、2012年からの5年間でレブロン・ジェームズを相手にプレーオフで4回目の敗退を味わったからだ。

キャブズに102-106で敗れ、シリーズが終わった第4戦後の会見で、ジョージは「同じチーム、同じ選手に負けるのは本当にフラストレーションだ」と心境を明かしている。

「最終的には、いつだって彼と対戦することになる」とジョージは言う。カンファレンスを勝ち上がるには『対キャブズ』ではなく、『対レブロン』という大きな壁を乗り越えなければならない。これは『東の常識』だ。

ペイサーズのシーズンが終わった瞬間、メディアの関心は早くもジョージの去就に切り替わった。試合後の会見でペイサーズに残りたいかを聞かれたジョージは、「まだそんなことを考えられる状況にいない。次の質問は?」とだけ語り、記者の質問を強引に打ち切った。

ジョージは2018年の夏にフリーエージェントの権利を取得するが、ペイサーズは今夏にもジョージを含む大型トレードを成立させる可能性があるとも言われている。その移籍先には、地元ロサンゼルスを代表する名門レイカーズが挙げられている。

ジョージにとっても、レイカーズへの移籍は悪い話ではない。地元に戻れることはもちろん、名門レイカーズ再建の中心選手として、昨年引退したコービー・ブライアントの後釜というポジションに就くことは大きなモチベーションとなるだろう。ペイサーズに残っても個人スタッツは上げられるだろうが、レブロンがキャブズの象徴でいる限り、NBAファイナルに進出できる可能性は低いだろう。

この夏、またしても『天敵』レブロンの前に涙を呑んだジョージの周辺が騒がしくなることは間違いない。