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第1クォーターで20点差を付けるロケットスタート

東カンファレンスのプレーオフ第1ラウンド。1勝1敗のタイで迎えた、ラプターズ(3位)とバックス(6位)の第3戦は、ホームのバックスが前半で27点差を付け、そのまま圧勝した。

バックスは序盤から好守にラプターズを圧倒する。ドライブからオフェンス有利な状況を作ると、そのズレが最大になるまでボールを回し、イージーシュートを決めていく。トニー・スネルのドライブから、ペイント内でパスを受けたヤニス・アデトクンボがシュートを決め、開始2分半で9-2と走ったところで、ラプターズはたまらずタイムアウトを要請した。

それでもバックスの勢いは止まらない。ラプターズはスクリーンのローテーションをミスし、何度もノーマークを作ってしまう。そしてバックスはそのチャンスを逃さずリードを広げていった。ディフェンスではエースのデマー・デローザンを、毎回のようにダブルチームに行くことで自由にさせない。リングへのアタックに対しては、ヘルプでインサイドを収縮させ高いプレッシャーをかけ続けた。

第1クォーターのラスト5分半でラプターズの得点はわずか2点。バックスが32-12と大量リードを奪った。

第2クォーターに入っても、流れは変わらない。軽快なパス回しでディフェンスをかく乱し、思い切りの良いシュートは面白いようにネットを揺らす。ラプターズはドライブを止めようとオーバーヘルプにいってしまい、簡単に外角のシュートを許した。マイケル・ビーズリーの3ポイントシュート、グレッグ・モンローのゴール下のシュートが決まり46-17、残り6分のところで点差を30に乗せた。

抜群の身体能力を生かし、アデトクンボが攻守に躍動

57-30で後半がスタート。なんとか点差を縮めたいラプターズだったが、最初のポゼッションでサージ・イバカがオフェンスファウルをコールされ、その後もデローザンがターンオーバーを犯すなど流れを引き寄せることはできなかった。

アデトクンボがドライブにパス、ブロックと好守にフル回転し、このクォーターでも点差を広げたバックスが104-77でラプターズに快勝した。

第1クォーターに11得点を挙げ、ロケットスタートを牽引したクリス・ミドルトンがチームハイの20得点。アデトクンボが19得点8リバウンド4アシスト、さらには2スティール2ブロックと攻守に活躍した。

敗れたラプターズは、第2戦まで平均25得点を挙げていたデローザンが、フィールドゴール成功なし(8分の0)の8得点と大ブレーキ。カイル・ラウリーも13得点と封じられた。また先発メンバーがわずか2アシストに終わり、全体でも11アシスト。いかにチームオフェンスが円滑に行かなかったかを物語っている。

これで対戦成績を1勝2敗とされたラプターズ。上位チームとしての意地を見せるためにも、デローザンが封じられた際の周りの選手のサポートや、ディフェンスの見直しが急務となる。