[CLOSE UP]並里成(滋賀レイクスターズ)反攻の立役者は星勘定ではなくプレーに集中「あまり負ける気がしない」

2017/04/20
Bリーグ&国内
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文=古後登志夫 写真=B.LEAGUE、滋賀レイクスターズ

好調の要因は「自分たちで解決する力が付いてきた」

シーズン終盤になって滋賀レイクスターズが勢いに乗っている。2カ月前まで8勝30敗でリーグ最下位だったチームが、この2カ月で7勝8敗とほぼ五分の成績。前節では京都ハンナリーズ相手に連勝を収めた。同一カードの連勝は第28節にして初の出来事だ。

日曜の第2戦で20得点8アシストと大暴れし、チームを連勝に導いた並里成は、「全員でハッスルして、オフェンスも全員が絡んでいけたのが良かった。ここにきてチームが浮き沈みなく、精神的に強くなってきたと感じます」と手応えを語った。

2カ月前、狩野祐介との対談で取材した時も並里の口調は力強かった。「上位チームを見た時に、何が自分たちより上回っているかと言うと、実はあまり見当たらない。自分たちでも勝てる相手だと、正直そう思っている」と、この時に言ってのけた言葉を現実のものとしている。

その理由を並里はこう説明する。「勝敗関係なしに自分たちのやるべきことをやったからです。コミュニケーションですね。うまく行かない時に自分たちで解決する力が付いてきていて、それが勝ちにつながっていると思います」

チームとして良いコミュニケーションが取れているからか、それとも単に結果が出ているからなのか、並里の動きにもキレが増している。「単純にコンディションも上がってきましたし、気持ちよくコートに立てていますね」と並里も自身の調子の良さを自覚している。

ただ自分のペースで、自分のスタイルを貫く

これで9試合連続で2桁得点と、並里がゲームメークだけでなく自ら積極的に得点を奪う形が機能している。滋賀のスタイルはフリーに動くことの多いモーションオフェンス。その精度が高まったことが並里の得点力アップ、そして滋賀の好調を呼んでいると彼は言う。

「自分たちで思ったことを言い合って『こうしよう』と決めるので、相手としたらスカウティングがやりづらい。『相手がこうしてきたから、こうしよう』というアイデアが出てきて、それをみんなで共通してやろうとしています。ゲームを理解できるようになり、なおかつ自分たちのバスケットをしようとして、具体的にはボールがすごく回るようになってきた。その余裕が持てるようになりました」

やりたいバスケットが形になり、最下位からは抜け出したが、まだ降格圏である。ここからよほど巻き返さない限りは残留プレーオフ回避となる全体14位には達しない。それでも並里は「あまり負ける気がしないです。どのチームでも乗り越えられそう」と平然としている。

滋賀に限らず、ライバルも降格プレーオフを回避しようと必死になっているが、その状況についても「他のチームは単純に焦っているんじゃないですか。僕らはそれと違って、焦りよりもモチベーションがチームとして上がっています」と見ている。彼自身は今までどおり、チャレンジ精神で目の前の相手に立ち向かっていくだけだ。「そうすれば何事もなく乗り越えられる気がします。実際、乗り越えられてきていますからね」

彼は焦るのでもメゲるのでもなく、ただ自分のペースで、自分のスタイルを貫いている。今シーズンここまでの自身の出来についても「満足はしてないけど良くなってきているので、これからが楽しみです。今年だけじゃなく来年、再来年も自分が成長していくと思っています」とあくまで前向きだ。

代表選手と自身を比較し「正直、僕が一番戦えるかな」

今はまさに日本代表合宿の時期。並里は昨年秋に強化指定選手に選ばれたものの、強化合宿へ招集されたのは一度きり。このことについても並里は焦りもしなければメゲもしない。「コートで示すだけです。それに自分が外れる選手だとは思ってないですし、やるべきことをやってチャンスを待つ、見てもらえるとこまで行くだけですね」。現在、代表でプレーするポイントガードと自分を比べて「正直、僕が一番戦えるかなと思ってます」とサラリと言う。

代表に選ばれるかどうかは別として、自身の課題はしっかりと認識している。理想のポイントガード像は「シンプルにゲームコントロールできて、得点が取れてディフェンスもできる選手」であり、今抱えている技術的な課題は「ピック&ロールからの3ポイントシュート」だ。「2ポイントのジャンパーはいつでも打てますが、やっぱり3ポイントを決められるようになれば幅も広がるので」

あとは頭と心のレベルアップだ。「前から変わらないのですが、苦しい時にもっと得点に絡んだり、もっとディフェンスに絡みたいですね。あとは状況判断。状況判断がすべてだと思っています」

いずれにしてもレギュラーシーズン残り7試合、ライバルの動向を気にすることなく、目の前の相手に挑む。「やるべきことをやるだけ。これからもいつもどおり、ハードにやるだけです」。そう話す並里の口調は、やはり以前より少しだけ自信と力強さを増しているように感じた。