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「神様がおばあちゃんのために決めてくださった」

チーム再建1年目のシーズンも残すところ数試合、『ヤング・レイカーズ』は4月9日にステイプルズ・センターで行なわれたサンズ戦に110-109で勝利し、今シーズン初の4連勝を飾った。

この試合でチームを逆転勝利に導く3ポイントシュートを試合終了のブザーと同時に成功させたディアンジェロ・ラッセルは、シュート成功後、チームメートのもとではなく、会場で観戦していた家族のもとに駆け寄り、抱擁を交わした。

試合当日の朝、ラッセルは祖母が息を引き取ったことを知り、当初は試合を欠場して祖母が住むルイビルに向かう予定だった。指揮官ルーク・ウォルトンもラッセルの欠場を認めたのだが、最終的に本人が試合出場を決断した。

ラッセルは試合終了後コートでインタビューを受けた際、リポーターの質問を遮るように「おばあちゃんのために決めたよ!」とカメラに向かって涙目でコメント。

「今朝、おばあちゃんが亡くなったことを知った。本当はプレーするつもりがなかったんだ。最後のショットは神様がおばあちゃんのために決めてくださったようなもの。自分にコントロールできる類のものではなかった」と、溢れ出す感情を抑えながら続けた。

実際、一度はリムに弾かれていた。そのボールが外にこぼれるのではなくネットに収まったのは、ラッセルが言うとおり『神様の思し召し』だったのかもしれない。

ウォルトンは試合後「今こうして今日の結末について話しているだけでも鳥肌が立つ。ディアンジェロにとって辛い一日だったにもかかわらず、素晴らしい仕事をやってのけた」と語り、ラッセルを称賛した。

ウォルトン体制になって初の4連勝がシーズン終了直前のこの時期とは皮肉なものだが、若い選手が多いレイカーズにとっては自信になる勝利だ。そして、ラッセルの活躍を誰よりも喜んでいるのは、天国に旅立つ前に孫のスーパーショットを見られた祖母であることは間違いない。