文=岩野健次郎 写真=バスケライダー

横浜ビー・コルセアーズ(愛称ビーコル)の試合を一度でも観戦したことがあれば、会場で気になる存在を目にしたことがあるはず。どこにいても異彩を放つ横浜ビーコル名物、バスケライダーである。ビーコルと言えば「バスケライダー」、「バスケライダー」と言えばビーコル。そう言っても過言ではないのだが、その正体は謎に包まれたまま。

2017年3月10日はバスケライダー誕生からなんと5周年の記念日。その栄えある日に(偶然)『バスケット・カウント』が単独インタビューに成功した。

「ロックと言えばやっぱりライダースジャケットだ!」

──そもそも、なぜ「バスケライダー」という名前なんですか? トリコロールカラーの2号、そして黒&赤の3号までいるところを見るとやっぱり「仮面ライダー」のパクリですかね? 

それは浅はかな考えだな。僕をよく見てみろ。ライダースジャケットを着ているだろ? だからバスケライダーなんだ。最初は「バスケメン」って言ってたんでけど、オレはロックが大好きでね。ロックと言えばやっぱりライダースジャケットだ! カッコいいスタッズ(トゲトゲ)も付いてて、超ロックだろ? 

──確かにそうなんですけど、じゃあ「バスケロッカー」で良かったんじゃないかと。

じゃあ次の質問に行こうか……。

──バスケライダーとしての活動はいつからやっているんですか? 

横浜のファーストシーズン、2011年から活動してる。マイケル・ジョーダンが大好きで、NBAの試合を見るのが好きだったんだけど、NCAAのカレッジバスケの試合をテレビで見るのも好きでね。きっかけは強豪のアリゾナ大学のスタープレイヤーだったレジー・ゲーリー(現名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)のプレーが大好きだったんだ。彼が横浜の初代ヘッドコーチとなるっていうニュースを聞いて、「これは横浜っぽく派手に応援しなくちゃ!」ってね(笑)。

でも、こんな格好をしてるけど実はガラスのハートでね。最初は2号と一緒じゃないとビクビクしていたものさ。席も上の方に座ってたんだけど、でも僕ってやっぱりスターじゃん(横浜弁)。だから周りが放っておいてくれなくて、いつの間にか応援の中心にいたよ(自慢気)。 

──えーっと、活動する上で大変なことは?

こんな格好だから、ハロウィンの季節になると子供が勘違いしてお菓子をせびりに来ることかな。僕はジャック・オー・ランタンじゃないし、使命を持ってライダーをやってるからね。お祭りごととは一緒にしてほしくないな。

大人には「怖い」と思われることが多いんだけど、子供には大人気でね。子供はだいたいバシバシ叩いてくるね。痛いんだこれが(笑)。大事な頭(=ボール)をつかんでくる子供もたくさんいる。 僕って超繊細だからちょっと気をつけてほしいな。あと、子供だけじゃなくオバチャンにも受けがいいね。結構いろんなものをもらうよ。今までもらった中で一番おいしかったのはバームクーヘンだな。

「楽しく」「かっこよく」「大胆に」応援していくよ!

──ちなみにバスケライダーには必殺技とかあるんですか?

やっぱり何と言っても強烈なパワーを周りに与えるのは「I Love 横浜」ダンス かな(笑)。いつも相手チームはこれにビビリまくりだよ。まだたくさんある。ファンから声をかけてもらった時の「バスケライダーカード配り」とか「マスコットとの写真撮影」とか「チアガールとの写真撮影」とか……。

──座右の銘はありますか?

「人が右向きゃ私は左」。やっぱり違いの分かる男は、人と違うことをやっていかなきゃ。「楽しく」「かっこよく」「大胆に」横浜を応援していくよ!

──バスケライダーは何のために活動しているんですか?

もちろんビーコルの優勝に貢献すること! だけど、横浜の試合が観客で常に満員になるような状態にするのが目標かな。バスケ人気が野球やサッカーを超えるようになってくれたらいいね。やっぱりバスケって本当に楽しいから。みんなでワイワイ盛り上がって試合にも勝てたら最高だね。

──横浜の試合がない時にはどんな活動を?

僕ぐらいのクラスになると、最終的にはNBA進出を目標にしているんだ。チームはどこでもいいんだけど、オファーを今か今かと待っているよ。もう一つは東京オリンピックでの応援だね。日本代表が僕を見習ってもっともっとハングリーになって、大活躍してくれることを期待しているよ。

ちなみに東京オリンピックで競技(応援)生命を終える予定。完全燃焼で真っ白な灰になって引退する予定なんだ(笑)。