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トレードの駒がいない状況からリーグ最強の選手層に

2連覇を狙うキャバリアーズに死角があるとしたら選手層の問題だった。だが、これは解消したと見ていいだろう。

10日間契約を結んだデリック・ウィリアムズは限られた出場時間にもかかわらず結果を残した。さらにはカイリー・アービングのバックアップを務められる司令塔として、マーベリックスから解雇されたデロン・ウィリアムズを獲得している。

デロン・ウィリアムズは3月1日のセルティックス戦でデビュー。99-103で敗れたものの、ウィリアムズは試合後「快適にプレーできた」とコメント。今後、連携が高まれば問題なくチームにフィットするはずだ。

そして、今週中にはセブンティシクサーズから解雇されたセンターのアンドリュー・ボーガットもキャブズと契約する見込み。この短期間で必要だった駒がすべて揃うことになる。

今でこそ3選手ともベンチから起用されているものの、ボーガットは2005年のドラフト全体1位指名選手、デリック・ウィリアムズは2011年の全体2位指名選手、デロン・ウィリアムズは2005年の全体3位指名選手で、いずれも実力はトップクラスだ。

デリック・ウィリアムズに関しては、2度目の10日間契約を満了する4日にキャブズと今シーズン終了までの契約を結ぶ予定となっている。

もともとキャブズには、トレードで他チームから主力級の選手を獲得できるだけの駒が不足していた。そのため補強が進まず、このままではレギュラーシーズン終盤にかけてレブロン・ジェームズへの負担が増大すると見られたのだが、トレードデッドラインに成立した移籍の影響により、思ってもみなかった大物たちとの契約が可能になった。

順当にプレーオフを勝ち進めば、3年続けてNBAファイナルで激突する可能性が高いウォリアーズは、主力であるケビン・デュラントがケガで離脱。最悪の場合にはプレーオフ出場も断念せざるを得ない状況となっている。

それでも、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーン、アンドレ・イグダーラといった実力者によるNBA屈指の『スモールラインナップ』は侮れない。それだけに、複数のポジションの選手を相手にタイトな守備で抑えられ、機動力も備えたデリック・ウィリアムズは貴重な戦力となる。何より、ジェームズを48分間通して起用する必要がなくなったことが大きい。

間もなくJR・スミス、そして3月下旬までには左ヒザを手術したケビン・ラブも復帰する予定で、ホークスからトレードで獲得したカイル・コーバーも本来のリズムでプレーできるまでにチームに馴染んだ。そして、守備意識が高く、スクリーナーとしてもトップクラスのボーガットが加われば、アービングとジェームズを軸とするピック・アンド・ロールからの攻撃力は倍増するはず。

2連覇に向け盤石の態勢を整えつつあるキャブズに、死角は見当たらない。

早くもキャブズに順応しつつあるデロン・ウィリアムズ。アービングの控えとして最適な補強となりそうだ。