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サンダー時代の仲間への『ウェットな思い』を垣間見せる

サンダーのラッセル・ウェストブルックは、2月3日のグリズリーズ戦でも38得点13リバウンド12アシストをマークし、今シーズン25回目のトリプル・ダブルを達成した。完全なワンマンチームとなったサンダーは西カンファレンス7位と順位が上がって来ないが、ウェストブルックはチームをプレーオフに導くために孤軍奮闘し続けている。

そのウェストブルックに負けず劣らずの大活躍を見せているのがロケッツのジェームズ・ハーデンだ。ロケッツの西カンファレンス3位躍進に大きく貢献しているハーデンは、今シーズンのシーズンMVP最有力候補と言われている。

2人は、ハーデンがロケッツにトレードされた2012年の夏までサンダーで3年間ともに戦った仲間であり、気心の知れた関係だ。今年のオールスターゲームでもハーデン、ウェストブルック、ケビン・デュラントの元サンダー・トリオが実現する。『ESPN』とのインタビューで今シーズン『平均トリプル・ダブル』を維持しているラス(ウェストブルックの愛称)について聞かれたハーデンは、「平均トリプル・ダブルなんてクレージーそのもの」と、かつてのチームメートを称えた。

「誰だってラスと一緒にプレーしたいと思うはずさ。誰よりも先頭に立って、壁を乗り越えてくれるのだからね。彼はチームの勝利のために全力を尽くしている。文字通り、すべてをこなしているんだ。彼のバスケットボールに対する情熱、積極性は素晴らしい。見ていて楽しい選手だよ」

いまだにNBAファン、メディアの間では、「もしサンダーがラグジュアリータックスを支払ってでもハーデンをチームに残していたら……」という話題が議論となる。ロケッツのエースである以上、ハーデンは当時について多くを語りたがらない。それでも心の片隅に大切な思い出として深く刻まれているのは間違いない。

インタビューでも、「毎シーズンのように成長を感じられたし、特別な時間」と当時を振り返っている。「この間、サンダー時代の写真を見たんだ。いろいろと思い出したよ。でも、試合があったからあまり長く見ないようにしたんだ」と、ハーデンは、デュラントやウェストブルックと一緒に過ごした時間を懐かしみ、胸の内の一端を覗かせた。

どの試合でもチームの勝利だけに集中し、持てる力のすべてを出す。ただ、胸の内にはウェットな感情を秘めている。それはデュラントもウェストブルックも同じだろう。