写真=B.LEAGUE

ギブソン不在のミスマッチを桜木ジェイアールが突く

16勝13敗で西地区3位の大阪エヴェッサが同地区首位のシーホース三河と対戦した。前半は苦戦を強いられるも後半に追いつき、死闘を繰り広げた。

前半は三河のペースで時間が進む。第1クォーターは外国籍選手オン・ザ・コートが三河は「1」、大阪は「2」という状況、ところが大阪は不動のセンターであるエグゼビア・ギブソンが欠場。初めて先発に名を連ねた198cmのリチャード・ロビーが203cmの桜木ジェイアールとマッチアップすることになり、高さのミスマッチを突かれた。桜木が起点となりミドルショットやアウトサイドへのアシストなど老獪なプレーでリードを許す。第2クォーターも流れは変わらず、29-43と2桁のビハインドを背負って前半を折り返した。

それでも後半に入ると、大阪はゾーンとマンツーマンを併用したディフェンスで三河のリズムを狂わせて守備からリズムを作ると、積極的なリングへのアタックを繰り返す。こうしてインサイドを攻めることで、前半に精度を欠いていた3ポイントシュートが高確率で決まるようになり、ジワジワと点差を縮めていった。

第4クォーター残り2分、桜木のポストプレーをロビーがスティールし、そのまま速攻を決めて73-73の同点に追いつく。だが残り1分20秒、7本の3ポイントシュートを決めて反撃の立役者となっていたジョシュ・ハレルソンがシュートを放った直後、桜木の足に着地してしまい足を負傷、交代を余儀なくされてしまう。

それでも大阪は残り時間8秒、ショットクロック3秒でのマイボールという状況に持ち込んだ。決めれば勝利という場面、エンドラインからロビーがパスを出し、自らボールを受け3ポイントシュートを狙うもこれが外れる。続けざまにオフェンスリバウンドを奪った綿貫瞬がゴール下を狙うもわずかにそれる。三河がリズムを失っていただけに、ここで勝ち切ってしまいたかったが果たせず、試合は延長戦に突入した。

2度目のチャンスも決めきれず勝利を逃した大阪

延長に入ると、大阪はインサイドを攻められ桜木とギャビン・エドワーズに連続でゴール下の得点を許す。ここで大阪の桶谷大ヘッドコーチは、高さの不利をなくすべくケガで退いていたハレルソンをコートに戻して勝負に出る。

綿貫のドライビングレイアップで83-84と1点差まで詰め寄り、ロビーが桜木をブロック。こうして残り24秒で最後のポゼッションを獲得した。綿貫がディフェンスを引きつけるドライブでズレを作ってキックアウト、パスを受けたロビーがコーナーで待ち構える今野翔太にボールをつなぐ。シュートフェイクでエドワーズをかわした今野がノーマークでジャンプショットを放つも、リングに弾かれる。

なおも橋本拓哉がオフェンスリバウンドを拾うが、桜木のプレッシャーの前に最後のシュートを決められず、83-84の1点差で涙を飲んだ。

三河の鈴木貴美一ヘッドコーチは「後半になってミスが多くなり、大阪の得意の3ポイントシュートでやられてしまいました。前半が良かったので、後半で油断してディフェンスがルーズになってしまい、相手にたくさんのスコア取られる展開となりました。ただ、みんな調子が悪い中、我慢してオーバータイムを勝ち取ったことはある意味では良い経験」と、苦戦しながらも勝ちを拾ったことを収穫に挙げた。

またチームハイの26得点を挙げ勝利の立役者となった桜木は「自分が点数を取ることはチームにとって成長につながらない。周りがオフェンスに絡めないと良いゲームができないので、コントロールしながら勝っていきたい」と、ベテランならではの勝ち方へのこだわりを語った。

敗れた桶谷ヘッドコーチは「オフェンスに関しては落ち着いて相手の弱いところを突いていますが、突き続ける徹底さが必要です。相手が嫌と思うようなことをしなければなりません。それは練習の中で意識することでこれからも強くなれると思います」と敗戦の弁を述べた。

大阪は第4クォーターと延長の最後のポゼッションの「2度」のチャンスを決めきれなかったことが直接的な敗因となった。それでもギブソンという大黒柱がいない中で三河を相手に最後まで戦い抜いたチームの一体感は今後につながるもの。「後半のファイトしたメンタルを次節のホームゲームで大阪のファンの方に見せたいと思います」と、指揮官は次節での勝利を誓った。