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集中力を欠いたウェストブルックの珍プレー

35勝6敗で西カンファレンスの首位に立つウォリアーズがラッセル・ウェストブルック擁するサンダーと対戦した。

前半は互いに持ち味を生かし接戦に。ウォリアーズは得意の速攻とオフザボールでのスクリーンプレーでマークを外し得点を重ねる。対するサンダーはウェエストブルックのポストアップやペネトレイトといった個人技で得点していった。

56-56の同点で迎えた第3クォーター、集中力を欠いたウェストブルックのターンオーバーからウォリアーズが一気に走る。

ウェストブルックのパスミスからケビン・デュラントが3ポイントシュートを沈め、ウォリアーズが66-63とリードする。この直後、エンドラインからパスを受けたウェストブルックは何を思ったかドリブルをせず歩き始め、当然のごとくトラベリングをコールされる。

ウォリアーズはそれで得たポゼッションでクレイ・トンプソンがジャンプショットを決め、直後のディフェンスでもウェストブルックの軽率なパスをステファン・カリーがスティール。そのままドリブルで持ち込みトンプソンの3ポイントシュートをアシストした。

約40秒の間にウェストブルックは3ターンオーバーを犯し、ウォリアーズが8-0のランで一気に突き放した。

その後、サンダーはウェストブルックのペネトレイト中心のオフェンスで持ち直し、自身は早くも21度目のトリプル・ダブルを達成した。

それでもウォリアーズは一度つかんだ流れを渡さない。ウェストブルックに頼らざるを得ないサンダーに対し、それぞれが連動した動きの中からオフェンスを組み立てるウォリアーズではシュートの精度が変わってくる。カリーが、トンプソンが、ドレイモンド・グリーンがリングにアタックすることでマークを引きつけ、デュラントがフィニッシュを沈めるチームプレーで得点を量産していった。

ウェストブルックのターンオーバーをきっかけにチームオフェンスが機能したウォリアーズが第3クォーターだけで15点のリードを奪った。

元『最強コンビ』のデュラントとウェストブルック。スタッツだけを見れば遜色ない二人だが、チームを勝利に導くという点では明暗がはっきり分かれた。

戦力が落ちないウォリアーズのセカンドユニット

最終クォーター、互いに主力を休ませてセカンドユニットでスタートすると、ウォリアーズは先発メンバーと遜色ないディフェンスを見せる。そして連動した動きの中からパスを供給し、オフェンスが有利な状況を作り出す。アンドレ・イグダーラのダンク、トンプソンの3ポイントシュートで7-0のランを生み出し点差は20を超えた。最終スコア121-100でウォリアーズが完勝を収めている。

デュラントが前回のサンダー戦で挙げたシーズンハイの39得点を超える40得点12リバウンド3ブロックでチームを牽引。カリーが24得点で続き、グリーンが12得点10リバウンド3ブロックと攻守に存在感を見せた。

敗れたサンダーはウェストブルックが27得点15リバウンド13アシストと今シーズン21度目のトリプル・ダブルをマーク。だが、ターンオーバーも10を記録。特に3連続ターンオーバーから8点を献上した第3クォーターは目に余るものがあった。

元『最強コンビ』の対決は明暗がはっきり別れた。ウォリアーズへ移籍してもプレースタイルは変わらず、カリーやトンプソンと共存しチームオフェンスで得点を量産しているデュラント。対照的にスコアラーが抜けたことによってすべての役割を一人でこなすことを選んだウェストブルック。

平均スタッツがトリプル・ダブルというのは素晴らしい記録だが、それは裏を返せばウェストブルックに依存しているということになる。1試合を通じて集中力を保つのは容易ではない。下位チームならともかく、上位チームとはこれでは渡り合えない。ウェストブルックのワンマンチームに限界が見え始めている。

ウォリアーズが誇るセカンドユニット。先発と変わらないプレーを見せて点差を広げた。