文=大島和人 写真=B.LEAGUE

A東京の得点源を徹底マークするも全体は抑えられず

B1東地区はリーグ戦の折り返しを迎えて『3強3弱』の構図がはっきりしてきた。仙台89ERS、レバンガ北海道、秋田ノーザンハピネッツが勝率2割台で並んでいる。仙台にとって東地区首位のアルバルク東京はリーグ戦、1月のオールジャパン準々決勝と4度対戦してまだ一度も勝てていない相手だ。

外国籍選手オン・ザ・コート数は仙台が「1-2-1-2」、A東京が「2-1-1-2」で試合に入った。

仙台の間橋健生ヘッドコーチは「田中大貴、ディアンテ・ギャレット、トロイ・ギレンウォーターという『ビッグ3』の点数をどれだけ抑えられるかをオールジャパンからずっと課題にしていた」と試合の狙いを振り返る。相手のキーマンに対してダブルチームに行く一方で、シュートの確率が低い選手は割り切ってマークを捨てる。それが仙台の選択だった。前半はギャレット、田中をそれぞれ2得点ずつに封じる展開で、仙台は意図した通りの守備を実行できていた。

ただA東京も「明らかに何人かマークを捨てて来ていたけれど、その時にどうするのかというのは選手が分かっていた」と伊藤拓摩ヘッドコーチが言う柔軟性を備えていた。A東京は正中岳城、菊地祥平といった『伏兵』がポイントを重ねてリードを奪っていく。仙台が守備のシステムを変えると、それに対するオフェンスも機能。「相手がゾーン(ディフェンス)をした時は、トロイが起点になっていいオフェンスをしていた」からだ。

A東京は1月8日にオールジャパンをベスト4で終えた後、連戦を考慮して4日の長期オフを取っている。また先週末は伊藤ヘッドコーチとギャレット、田中、竹内譲次がオールスターゲームで不在だった。ただ「全員揃っての練習を一回もできなかった」(伊藤ヘッドコーチ)という中でも、ミーティングなどで戦い方を共有できていた。

A東京が46-34とリードして、第2クォーターを終えることになった。

後半に入っても仙台の苦しい戦いは続き、第3クォーターの中盤には最大で22点差まで開いた。しかしこの時間帯に悪い流れを変える働きを見せたのが、ガードの石川海斗だった。彼は「どう盛り返せるか、リズムを作れるかというのを考えると、速攻でアタックしていくことが大事だと思った。外打ちが多かったので、そこも意識した」と狙いを振り返る。

「アルバルクさんのディフェンスが怖いと思ったことは一度もない」という石川は、持ち味のドライブで盛んにゴールへ仕掛けた。これが相手のファウルにもつながって、石川はフリースロー4本も含む8得点を10分間で奪った。仙台が53-62と一桁点差まで詰めて、試合は第4クォーターに入る。

終盤に追い上げるも、序盤のビハインドが重く

仙台は第4クォーター早々にウェンデル・ホワイトが3ポイントシュートを決め、56-62とさらに追い上げる。カメイアリーナ仙台に「行ける」という雰囲気が漂い始めていた。

しかしA東京がここから連続12ポイントのランを見せ、再び仙台を突き放す。最後の最後に仙台が詰めたが、ファイナルスコアは80-91。3カ月ぶりとなるホーム戦の勝利を欲していた仙台だが、善戦は実らなかった。

A東京は第2クォーターの途中で3ファウルを喫したギャレットが、第3クォーターを全休。しかし最後の10分間は一気にギアを上げた。ギャレットが9得点、ギレンウォーターが8得点、田中も5得点と『ビッグ3』が第4クォーターで輝いた。

間橋ヘッドコーチが「第1クォーターでビハインドを負うと、東京さんのような強いチームには追いつくことでエネルギーを使ってしまう」と悔いるように、終盤の仙台はどうしても体力的に厳しくなっていた。

一方で仙台にとって収穫が全くない試合ではなかったはず。間橋ヘッドコーチも「今日も15分くらいはウチの時間帯だったと思う。今日は石川選手がそれを作ってくれた。こういう強いチームにも(自分たちの時間帯が)20分、25分くらい来るようにしたい」と先を見据える。3カ月ぶりの先発で好プレーを見せた柳川龍之介の活躍も、今後に向けた明るい材料だろう。

一方で指揮官は「守った後のリバウンド。そこの部分だった」と敗因を口にする。仙台は206cmの帰化選手、坂本ジェイがケガで欠場しており、インサイドが手薄になっていた。リバウンドは仙台の「35」に対してA東京が「50」。オフェンスリバウンドに限ると仙台は「8」しか取れていない。それが大きく影響して仙台はセカンドチャンスからの得点が「6」にとどまった。守備の部分でもA東京のビッグマン、竹内にミスマッチを突かれて18得点を許している。

「小さいことは分かっているんですけれど、ボックスアウトを頑張りすぎた。ぶつけて先に反応する技術をもっと覚える必要がある」(間橋ヘッドコーチ)

リバウンド争いにおける身体をぶつけるところと飛ぶところの使い分け、そして全員が飛び込む意識づけ。そこが仙台の次の課題ということになる。