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ジェレミー・リン、ステフィン・カリーを起用した特別版

アダム・シルバーがコミッショナーに就任した2012年以降、NBAは急速にグローバル化を推し進めている。シーズンオフにはスター選手をアジア各国に派遣してバスケットボール・クリニックなどのイベントを開催している他、昨秋からは将来有望な選手を育成するトレーニングセンターを中国、インド、アフリカ、オーストラリアに立て続けに設立するなど、その動きは止まることを知らない。

特にNBAが率先して力を入れているのは中国での人気開拓。数シーズン前から中国語表記のジャージーを製作するなどの力の入れようで、今シーズンも中国の旧正月を祝う特別コマーシャルを製作した。

ある中国人一家のリビングルームと思しき場所で、祖父が孫に秘密の封筒をプレゼント。それを開けるや否やリビングのテーブル上がコートに様変わりし、封筒から出てきた紙のステファン・カリーとジェームズ・ハーデン、ジェレミー・リンとアンソニー・デイビスの2対2が始まる。一進一退の攻防が進む中、ラストはカリーがお得意の超ロングシュートを決めてフィニッシュ、という流れ。

春節時期にあたる1月26日から2月11日までの間、NBAはウィザーズ、ラプターズ、ロケッツ、ウォリアーズが中国語バージョンのジャージーを着てプレーする予定だ。

アメリカ国内での人気も上昇傾向にあるNBAだが、中国国内で絶大な人気を誇る『マンモスコンテンツ』。カリーやレブロン・ジェームズらスター選手たちを崇拝する熱狂的なファンも少なくないとか。

気になる日本での展開だが、2003-04シーズンに『NBA Japan Game』と銘打ち、さいたまスーパーアリーナでスーパーソニックス対クリッパーズによるレギュラーシーズン開幕戦を行なった他、2006年に東京でバスケットボール世界選手権(ワールドカップ)が開催されて以降、大会開催の動きはない。ここ数年はオフにデリック・ローズ、カリー、デイミアン・リラード、ブラッドリー・ビールといった現役トップ選手の来日は実現しているものの、それ以上の動きに発展していないのが現状だ。

昨年秋にBリーグが発足し、国内のバスケットボール人気も徐々に盛り上がりを見せ始めているだけに、そう遠くない将来に世界トップレベルの試合が再び日本で開催されることを期待したい。

リンとカリーのマッチアップ。台湾系アメリカ人初のNBA選手のリンとカリーの共演CMは中国のNBA人気を助長するに違いない。