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守備が改善しないのはアンソニーとローズが原因?

昨夏にデリック・ローズを獲得し、フリーエージェントとなったジョアキム・ノアとも大型契約を結んだニックスには、カーメロ・アンソニー、クリスタプス・ポルジンギスを中心に4年ぶりのプレーオフ進出が期待されている。

しかし、現実は甘くない。レギュラーシーズン37試合を終えて17勝20敗、東カンファレンス11位というのは、率直に言って『期待外れ』だ。以前からのウィークポイントであるディフェンスに改善は見られず、1試合の平均失点ではリーグで25位の108.8と低迷している。

ケミストリーの構築に時間を要していることで成績が伸びない現状にイライラを募らせているのがポルジンギスだ。1月7日のペイサーズ戦に109-123で敗れた後、ポルジンギスは『New York Post』に率直な気持ちを語った。

「チームとしてあるべきレベルに達していない。タレントは揃っているのにそれを生かせていないのは、成績を見れば明らかだ。これからもチームとしてレベルアップしないといけないよ。まだチームとして一丸となれていない。この状況にはフラストレーションが溜まるよ」

今シーズンを始めるにあたって、ニックスには2つの選択肢があった。ルーキーイヤーに素晴らしい働きを見せたポルジンギスを将来のエース候補として軸とし、若手中心のチームを作っていれば、NBAの中でも特に熱狂的なことで知られるニューヨークのファンも『再建期間』が必要であることに理解を示しただろう。

だが、ニックスは別の選択肢──大金を投じての大型補強を選択した。それだけに、今シーズンにはそれなりの結果を出すことが求められているのだが、実際はうまく行っていない。

アンソニーは「敗戦はすべて自分の責任」と、エースとして成績不振を一身に背負う姿勢を強調した。だが、チームディフェンスにおいて効率的なプレーができていないのは、そのアンソニーとローズが原因という意見も根強い。ポイントガードというポジションの性質上ボールを持つ時間が多いローズだが、今シーズンは1試合17本以上のシュートを放った試合でニックスが1勝12敗と大きく負け越しているというデータもある。

西カンファレンスと同様、ここ数年は東の競争も激化しているだけに、ポルジンギスの主張通り、シーズン前には「台風の目になり得る」と評価された高いポテンシャルの発揮が求められる。

脆い守備の原因として名前が挙がるアンソニーとローズ。責任を背負うという言葉ではなく、勝利という結果を見せる必要がある。