文=丸山素行 写真=本永創太

セカンドユニットのディフェンスが流れを引き寄せた

『オールジャパン2017』男子4日目、ベスト8が出揃い準々決勝が行われた。Bリーグ中地区同士の戦いとなった川崎ブレイブサンダースとサンロッカーズ渋谷の一戦は、リーグ最高勝率(.862)を誇る川崎がその力を見せつけ快勝した。

「スタートメンバーの入りが悪かった」と北卓也ヘッドコーチが振り返ったように序盤は相手に先行されたが、川崎は外と中をバランス良く攻めてファウルを誘発。渋谷の0本に対して9本のフリースローを獲得し、22-19と逆転して第1クォーターを終えた。

第2クォーターは北ヘッドコーチが「セカンドユニットのメンバーが非常にいいディフェンスで流れを変えてくれた」と語る展開。ベンチから登場した藤井祐眞や栗原貴宏がアグレッシブなディフェンスから流れを掴んだ。

渋谷は、インサイドにパスが入らずボールが外を回るだけで、淡白な攻めが続いた。1対1のディフェンスで圧倒し、相手のターンオーバーを誘発した川崎はこのクォーターをわずか9失点に抑え込んだ。

オフェンスでは「いい判断ができて、要所で3ポイントシュートが決まった」と言う辻直人がこのクォーターだけで3本の3ポイントシュートを沈め、46-28と大量リードを奪って前半を終えた。

「ターンオーバーが増えてしまい詰め切れなかった」

後半に入るとリーグ2位の3ポイントシュート成功数を誇るSR渋谷の反撃を受け、一時は9点差まで詰め寄られる。それでも、お返しとばかりに辻と栗原が3ポイントシュートを沈めて流れを断ち切った。その後はタイムシェアでベンチメンバー全員がそれぞれ持ち味を見せる磐石の試合運びで91-65とSR渋谷を退けた。

川崎はライアン・スパングラーが20得点、辻が6本の3ポイントシュートを含む19得点、ニック・ファジーカスが16得点。ファジーカスはいつもより得点ペースが落ちたが、取るべき選手がバランス良く得点していること、ディフェンスからオフェンスへと良いリズムでつながっている点は大きな収穫と言える。

SR渋谷のヘッドコーチ、BTテーブスは敗因をこう語る。「数字に表れない、ターンオーバーに近いような質のプレーが多い。9点差まで詰めたが、川崎はそこでもう一度自分たちのプレーを遂行するようになり、我々はターンオーバーが増えてしまい詰め切れなかった」

これで川崎は明日の休養日を挟み、1月8日の12時から準決勝を戦う。