文=鈴木健一郎

「緊張感のある練習ができて、今後の自分につながりそう」

鈴木達也はバンビシャス奈良で3年間プレーし、ルーキーシーズンを除く過去2シーズン連続でbjリーグのアシスト王に輝いた。そして今シーズンは三遠ネオフェニックスに移籍。Bリーグ開幕から攻守の切り替えの早い三遠のバスケットを牽引している。

その鈴木は今回が代表初選出。bjリーグ時代は日本代表に縁がなかったが、Bリーグが始まり、代表が『リセット』されたことで招集を受けた。わずか2日間の合宿だが、「とても緊張感のある練習ができたので、今後の自分につながりそうです」と手応えを語る。

今回の合宿では三遠のチームメートである太田敦也と同じ組。『新参者』の鈴木にとって太田以外に一緒にプレーしたことのある選手のいない環境だったが、「昔からの知り合いはいるので気は楽でした。初めての人ともコミュニケーションが取れたのでよかったです」と初めての代表合宿を自然体でこなすことができた。

真剣に取り組んだ合宿だが、初めてとあって『ワクワク』したそうだ。「いつも対戦相手として試合をしているメンバーですが、やっぱりうまいです。みんな良いところがすごくあって、チームメートになったら面白いと思いながらやっていました」

一番印象に残った選手は「比江島(慎)ですね。同期なので」とのこと。

ただ、ワクワクしてばかりはいられない。68名の重点強化選手はこれからすぐ絞り込まれていく。今回の合宿第2回のメンバー25名のうち、鈴木は最も背が低い選手だった。68名の強化選手の中で160cm台の選手は、169cmの鈴木と167cmの富樫勇樹しかいない。

サイズがない中でこの競争に勝ち抜くポイントを「スピード感と正確な判断」と鈴木は言う。「(橋本)竜馬さん、岸本(隆一)も大きくはないけど、すごい選手です。だから僕も小さくたってできると思います。190cmある選手が僕たち小柄な選手ほどのスピードや判断の正確さができれば、日本にとっては非常に大きいです。ただ、僕としては生き残るためにそこで上回っていきたい」

それをBリーグのコートで証明しているからこそ、こうして代表に呼ばれている。当然、大きい選手に負けるつもりは毛頭ない。

「これから絞られていきますが、そこで生き残る、ポジションを勝ち取っていけるように、日頃の練習から努力して、試合でも結果を残して、また代表に選んでもらえるよう頑張っていきたいと思います」