バム・アデバヨ

第4クォーターにセルティックスの猛追を受けるも逃げ切る

現地5月21日に行われたプレーオフ東カンファレンスファイナル、ヒートvsセルティックスの第3戦は、バム・アデバヨが31得点10リバウンド6アシスト4スティールでチームを引っ張り、ヒートが109-103で勝利した。

ヒートは立ち上がりから、今シリーズ初出場となった司令塔のカイル・ラウリーを起点にテンポの良いオフェンスを展開。前半だけでフィールドゴール12本中8本成功を含む16得点6アシスト4リバウンドを挙げたアデバヨの活躍もあり、62-47と大量リードを奪って前半を終えた。しかし、ヒートはリーダーのジミー・バトラーが膝を痛め、後半は出場できなかった。

そして、セルティックスもマーカス・スマートが第3クォーター開始直後にラウリーとのリバウンド争いの際に、着地で足首を捻ってしまい、チームスタッフに支えられながらロッカーに下がるアクシデントが発生した。深刻なケガかどうか心配されたが、治療を受けて5分後にコートに戻ると、ホームのボストンファンから大歓声で出迎えられた。

2桁のビハインドを背負ってもあきらめないセルティックスは、後半だけで25得点を挙げたジェイレン・ブラウンを中心に反撃し、徐々に点差を縮めていった。そして、ようやくヒートの尻尾が見えてきた矢先の残り5分33秒、今度はジェイソン・テイタムが負傷。ドリブルから突破を試みたテイタムは、ターンオーバー後に右肩を押さえてコートに倒れ、立ち上がることができなかった。テイタムもロッカーに下がって治療を受けたが、わずか2分後にコートに戻り、再びセルティックスファンから大きな歓声で迎えられた。テイタムが戻るまでに89-93にまで点差を縮めたセルティックスは、残り2分40秒にブラウンの3ポイントシュートで1点差(92-93)まで詰め寄った。

しかし、ホームでの第2戦で恥をかかされたヒートも意地を見せる。次のポゼッションでマックス・ストゥルースが流れを取り戻す3ポイントシュートを成功させ、さらにアデバヨがアル・ホーフォードとの1対1からショットクロック終了のブザーと同時に値千金のジャンプシュートを決めてリードを6点(98-92)に拡大。これが事実上の決勝点となり、ヒートがシリーズ2勝目を挙げた。

ヒートはアデバヨ以外にも、PJ・タッカーが17得点7リバウンド、ストゥルースが7本中4本成功の3ポイントシュートを含む16得点、ラウリーが11得点6アシストを記録した。また、セルティックスから24ターンオーバーと19スティールを奪うなど、ハードな守備で違いを見せた。

アデバヨは「第2戦は、まるで何かを盗まれたような気持ちにさせられる負けだった。だから、今日は会場に着いた時から全員集中していた」と語った。「必ずやり返すという気持ちでいたし、チームのプレーを実行して、勝負を決めるつもりでいた。この気持ちはチームにとってプラスになると思う」

ヘッドコーチのエリック・スポールストラは、アデバヨについて「ジミーのように、勝つために必要な仕事をしてくれた」と称えた。後半は出場しなかったバトラーの状態については「今の時点では詳しいことは分からない」とだけ答えた。