今村佳太

2試合ともここ一番で3ポイントシュートを決める勝負強さで連勝に貢献

琉球ゴールデンキングスは、チャンピオンシップのクォーターファイナルで秋田ノーザンハピネッツと対戦。初戦を74-60、2試合目を77-56とし、連勝でセミファイナル進出を決めた。

琉球の中心選手である今村佳太は2試合連続で2桁得点(初戦が10得点、2試合目は15得点)をマーク。また、初戦は第4クォーター序盤で4点差に詰められた直後に悪い流れを切る3ポイントシュートを決めると、2試合目は第4クォーターのオフィシャルタイムアウト明け最初のポゼッションで16点リードに広げるダメ押しの3ポイントシュートと、要所で得点を挙げている。

この2つのシュートに代表されるように、今村はプレッシャーのかかるチャンピオンシップにおいても、しっかり打つべきタイミングでシュートを打てていた。「チームが苦しい時に点を取れている。そこは一つ自分としては良いところです」と、この点については好感触だが、2試合ともフィールドゴール13本中4本成功と終わった精度を高めたいと強調する。

「アグレッシブさがチャンピオンシップでなくなってしまうと、どんどん向こうのペースに行ってしまうと身に染みて感じています。それを出せているのは良いですが、シュートの成功率はあまり良くなかったです。確率を高め、状況判断も含めてもっと良いプレーができると、チームがより良い流れでプレーできます。ディフェンスは手応えをつかんでいるので、ここは来週も続けていきたいです」

琉球にとってセミファイナルは今回で4度目となるが、これまで一度もファイナルに進出したことはない。特に過去2回はともにホーム開催の中、初戦を落とした後で第2戦を制したが、第3戦の途中でガス欠し大差で敗れる同じ展開で散った。

「セミファイナルは鬼門となっています」と今村も難しさは痛感している。ただ、今シーズンのチームならこの大きな壁を乗り越えられる。そのための準備をしっかり行ってきたことへの確固たる自信を持っている。

「レギュラーシーズンから常にこのチャンピオンシップを目標に積み重ねてきました。いろいろな気負いやプレッシャーは感じると思いますが、次のセミファイナルも自分たちのバスケットボールができればおのずと結果はついてくる。一喜一憂せず、自分たちのやってきたことを続ければ流れがくる。それを信じていますし、仲間を信じてやっていきたいです」

今村佳太

「堅いディフェンスを40分間することを突き詰めないといけないです」

相手の島根スサノオマジックに対し、レギュラーシーズンで琉球は3勝1敗と勝ち越している。ただ、ベストメンバーの相手と対戦したことはなく、ホームで連勝した4月23日、24日も中心選手のリード・トラビスが欠場していた。そのため、島根本来の爆発力を一度も体験することなく大一番を迎える。だからこそ大事なのは、いつものプレーを40分間貫くこと。クォーターファイナル第2戦、第3クォーターの出だしで連続失点を許したが、同じことをセミファイナルでやっては勝てないと、今村はあらためて気を引き締める。

「すごく簡単に表現すると気が抜けてしまっていた。ディフェンスの堅さが落ちて、相手にイージーシュート、トランジションの得点を許しました。堅いディフェンスを40分間することを突き詰めないといけないです。セミファイナルでは一気に相手に流れに持っていかれてそのまま試合が終わってしまうこともあり得ます」

振り返れば昨シーズンのチャンピオンシップ、今村はクォーターファイナルでは勝利した2試合でともに27得点と大暴れを見せた。だが、セミファイナルの3試合は10得点、12得点、7得点に留まり、特に3戦目は3ポイントシュート7本中0本成功と大一番で不発に終わった。

この雪辱を果たしたいと強い決意を持って今週末を迎える。何よりもまずは、「初戦をとることの大事さを去年、あらためて痛感しました。まずはしっかりベストスタートをきれるように準備していくことです」と、第1戦を勝つことに集中している。

昨シーズンの加入当初、チームにうまくフィットせずに苦しんだ時期もあった。しかし、今の彼はチームの大きな柱となり、日本代表にも選出されるまでにステップアップした。セミファイナルでこの2年間の成長の証を見せることができれば、自然と結果はついてくる。