ヤニス・アデトクンボ

「勝ち進んだセルティックスの成功を願っている」

81-109でセルティックスとのプレーオフ東カンファレンスファイナル第7戦に敗れた後、バックスのヤニス・アデトクンボは「言い訳はしない」と繰り返した。

ブルズとのファーストラウンド第3戦以降、バックスは主力のクリス・ミドルトンをケガで欠いた。それでもシリーズを勝ち上がり、優勝した昨シーズンに続いてカンファレンスファイナルまであと1勝のところにたどり着いたが、一歩およばなかった。

アデトクンボは「クリスがプレーしていたら、違ったストーリーにはなっていたかもしれない」と言いつつも、「ブルズとの第3戦から僕たちは『クリスがいないから』などという言い訳をしていない」と続けた。「僕たちはファーストラウンド第3戦からセルティックスとの第7戦まで、全員が全力を尽くした。確かにクリスがいたら違ったストーリーにはなっていたかもしれないけれど、彼は出られなかったんだ」

「身も心も疲れ切った」と語ったアデトクンボだったが、シリーズを心から楽しんだと激闘を振り返った。「どの試合だって僕はフィジカル色の強いプレーを嫌がらない。それに目の前の困難を乗り越える。それが僕という人間。シリーズを楽しまない選手なんていないさ。連戦連勝のチームなんてほぼいないし、この経験が選手としての僕を成長させてくれる。経験することで成長できるんだ。チームメートと長期間のシーズンを一緒に戦えて楽しかった。アップダウンもあって、これからしばらくは寂しい気持ちになるだろうけど、僕は今回のシリーズを楽しんだ。残念ながら勝つことはできなかったし、できることなら次の試合でプレーしたかったけど、そうはならなかった。良いオフシーズンを過ごして、今の気持ちを来シーズンのモチベーションにしたい」

試合終了後、アデトクンボはコートでセルティックスのエースであるジェイソン・テイタムと抱き合い、言葉を交わした。その内容を聞かれた彼は「僕は競技者で、試合に勝てなくて辛いけど、両親から人格者になるように育てられた。だから、これから先に勝ち進んだ彼ら(セルティックス)の成功を願っている」と語った。

「相手は素晴らしいプレーをして、それで勝ち上がった。ジェイソンの成功を願っているし、これからの試合でも素晴らしいプレーをしてチームを引っ張って、優勝に導いてもらいたい。セルティックスは素晴らしいチームで、ケミストリーも仕上がっている。優勝できる可能性もある。そういう話を彼に伝えた。それに、お互いに尊敬し合っているというような話をしたよ」