サンロッカーズ渋谷

第2クォーターで10点のリードを奪うも、逆転を許し追いかける展開に

サンロッカーズ渋谷vs京都ハンナリーズの水曜ナイトゲーム。SR渋谷はジョシュ・ハレルソンが保健所による濃厚接触者の調査中で欠場となり、京都は永吉佑也がコンディション調整のため、そして小川伸也ヘッドコーチが「アップ中にあまり良くない症状が出たので、ロスターを変えさせてもらった」と明かしたように、ケガ明けのデイヴィッド・サイモンも急遽欠場した。

序盤からともにディフェンスの強度がオフェンスを上回り、第1クォーターをSR渋谷が1点リードの16-15で終える。その中でもSR渋谷は特別指定で加入した小川麻斗を第1クォーターから、プロ契約を結んだ井上宗一郎を第2クォーター頭から起用した。SR渋谷の選手として初めてコートに立った2人は、ともに持ち味を発揮。特に井上はリバウンドに3ポイントシュートと見せ場を作った。

第2クォーターになるとSR渋谷が先手を取る。バックコート陣が縦へ切り込んではビッグマンのスペースを作り出す。また、ベンドラメ礼生はミドルシュートにスティールからのワンマン速攻、そして3ポイントシュートでチームに勢いを与え、第2クォーター中盤にはSR渋谷が10点のリードを奪った。

一方の京都はSR渋谷のディフェンスのプレッシャーに押され、高い位置でボールをもらうことが増え、思うように攻めることができない。それでも、會田圭佑と久保田義章の2ガードを起用し、相手のディフェンスを攻略する方法を探る。さらに第2クォーター中盤からチェンジングディフェンスを行い、SR渋谷のリズムを乱すことに成功した。特に加藤寿一は盛實海翔からターンオーバーを誘発するなど、激しいディフェンスを見せる。こうして京都はビハインドを3点にまで詰めて前半を終えた。

第3クォーターに入っても京都が1ポゼッションを追いかける時間が続いたが、残り5分でディフェンスリバウンドからのジャスティン・ハーパーの速攻で43-42と京都が逆転に成功する。その後はSR渋谷に2点差に詰められては、細川一輝の3ポイントシュートなどで逃げる展開が第4クォーター終盤まで続いた。

しかし、SR渋谷もディフェンスのギアを上げて猛攻する。ベンドラメが前線でボールを奪ってシュートをねじ込むと、西野曜はジェロウム・ティルマンが足を滑らせた隙を見逃さずにミドルシュートをねじ込む。続くポゼッションでも西野が高橋耕陽との合わせから得点して、残り1分45秒で73-72とSR渋谷が逆転したが、40分間では勝負が決まらず、試合は74-74で延長戦へ。

サンロッカーズ渋谷

「いつもだったら崩れるところを、選手たちがやることを徹底してくれました」

ここまで拮抗した戦いを見せた両者だったが、SR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチが「並んだあたりから京都さんの疲れが見えたので、体力勝負で勝てました」と話したように、延長になるとSR渋谷が主導権を握った。

ファーストポゼッションでベンドラメがティップしてセカンドチャンスポイントをねじ込むと、マカドゥもフローターで得点。マッチアップゾーンを敷く京都に対して、速いボール回しでズレを作って、西野が3ポイントシュートを沈める。その後も、ベンドラメがタフショット気味の3ポイントシュートをねじ込むなど、延長戦を17-7と圧倒したSR渋谷が91-81で勝利した。

SR渋谷はベンドラメが3ポイントシュート5本成功を含む28得点5アシスト3スティールの活躍でチームを牽引し、西野曜が3ポイントシュート3本中2本成功を含む17得点4リバウンド、井上が3ポイントシュート3本成功を含む11得点を挙げて、ハレルソン欠場の穴を埋めた。

敗れた京都の小川ヘッドコーチは「上手く戦えている時間帯もありましたが、45分間を通して見ると彼らのフィジカルコンタクトに全部押し出されて難しいショットを打たされる、もしくはターンオーバーからスコアされる。ターンオーバーからの失点が18点なので、これはちょっと多すぎます」と振り返った。

反省点はあったが、収穫もあったと小川ヘッドコーチは言う。「彼らの強みであるオフェンスリバウンドを12本に抑えることができました。セカンドチャンスポイントは12点と多かったですが、それでも彼らの強みという意味では多少は消せたと思います。ただ、やっぱり勝負どころになった時に、そこを守りきれなかったです」

また、1月3日以来の試合となったことで「本来ではもう少し引っ張りたい選手もいましたが、コンディショニングが上がっていないので難しさはありました」としつつも「その中で途中から出てきた選手がすごくステップアップしてくれました。會田にしろ、久保田にしろ頑張ってくれたので、チームとしてのボトムアップができました」と語った。

一方、勝利したSR渋谷の伊佐コーチは「前半はリバウンドをやられて、セカンドチャンスポイントを予想以上に取られてリズムが取れなかったです」と言う。それでも一時は追いかける時間帯が続いたが、見事にそこから延長線に持ち込んで勝ち切った選手を称えた。「いつもだったら崩れるところを、選手たちがやることを徹底してくれました。特に後半はターンオーバーが1つでオフェンスリバウンドも取ることができたので、最後はこういう結果になったのかなと思います」